食に関する本のブログ

すごい和食(小泉武夫氏)要約

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今回は「すごい和食」

著者 小泉武夫氏の本の要約です。要約をさっと動画で見たい方はこちら、約8分です。

文章で読みたい方は、こちら。目次でお好きなところからお読みいただけます。

「すごい和食」 著者 小泉武夫氏

生活習慣の欧米化から、和食を意識的にとることが少なくなってきましたね。ただ、和食のもつ魔法のチカラは計り知れません。本書は、世界中の食を極めつくした著者が、発酵学や食文化の視点から和食の効能について紹介しています。さっそく読んでいきましょう!

本書の要点
1.アジアと欧米と比較した日本食の特徴
2.和食に使われる食材、調理法などからその魅力をまとめます
3.和食の土台は「発酵食」
4.和食の危機は国家滅亡の危機

アジアと欧米と比較した日本食の特徴

 まず、和食では、主食の米をそのまま炊いて粒で食べますが、洋食では穀類を挽いて、粉にしてから調理して食べますよね。なので、日本人は「粒食」、ヨーロッパ人は「粉食」という違いがあります。日本が粒食になった背景には、水に恵まれて水田から稲作が発達したことが挙げられます。また、日本食の基本は煮ることだったので、パンなどの欧米食が入って来るまでは、鍋や釜が主な調理器具でした。また、日本人は水を「食べる」人種だとも言えます。主食である米を炊くとき、味噌汁、煮物、日本酒など、あらゆる和食に水が関わっています

 一方で、近年では日本の水資源も悪質化して、高価な水を買わなければいけなくなってきました。ペットボトルの水はガソリンよりも高かったり、浄水器をつけなければ飲むのに安心できなかったりするのは、その現実を顕著に物語っていると思います。

和食に使われる食材、調理法などからその魅力をまとめます 

和食の食材としては、次の8つが基本構造となります。①根菜類、②菜っ葉、③青果、④山菜ときのこ、山の幸、⑤豆類、⑥海草、⑦主食の米、麦、⑧動物性たんぱく質。とくに日本人のたんぱく源は大豆を使った料理だったので、日本人の特徴である「高タンパク低脂肪低カロリー」の食事が実現できているのです。また、漬物は最強の整腸剤とも言えます。漬物は、塩分の作用で野菜の細胞から水分が抜けていますが、その代わりに漬け床の香りや味、栄養成分が野菜にしみ込んでいます。生野菜を大量に食べるのは苦労しますが、漬物として食べれば味もあって美味しく、さらに生野菜と同じ量でも約4倍の食物繊維が摂取できるというメリットもあるのです。食物繊維はゴボウやレンコンなどにも含まれていて、脂肪の代謝に効果的だと言われています。次に、漬物という保存食に続いて、干物もおすすめです。野菜、しいたけ、魚など天日に当てて乾燥させると、繊維質がたくさん摂れます

和食の土台は「発酵食」 

日本の典型的な発酵食は、納豆、漬物、醤油、味噌汁の味噌などです。冷蔵庫がなかった時代、食品を保存する方法は①乾燥、②塩漬け、③燻製、④灰でまぶす、⑤葉っぱで包む、⑥発酵、の6つです。発酵食というのは、善玉菌が食品の原料に作用して、そこで増殖するときに人間にとって有益な物質を産生して、それを食品に残してくれるというものです。牛乳やチーズをつくる乳酸菌も発酵食に含まれます。また、発酵食品には、生きている発酵菌が多数存在していて、人間の体を整えてくれるのも大きなメリットです

 このように、和食の土台は発酵食で占めていると言っても過言ではないでしょう。カビは湿度が高くないと生存できないので、ヨーロッパのような乾燥した地中海性気候には向いていません。

和食の危機は国家滅亡の危機

さて、戦後60数年で日本人の食卓は劇的に変わっています。肉の消費量は4倍、油の消費量は5倍になり、高タンパク高脂肪高カロリーの食生活になってしまいました。筆者は世界中の食を研究した結果、それぞれの民族には、その民族の遺伝子があることの重要性を述べています。ここで沖縄の奄美黄島を例に、理想的な食生活についてご紹介します。奄美黄島の人々は、まず野菜と果物をたくさん食べます。次に魚をよく食べ、豆もたくさん食べます。日本人は歴史上、肉よりも魚をよく食べてきたので、彼らの食生活は理にかなっているのです。一方、欧米食について議論するうえでは、肉の正しい食べ方を見直す必要があります。肉のタンパクは胃でアミノ酸に分解され、腸にいくと悪玉菌がアミノ酸に作用して、酸化させます。すると発がん物質などが産生されるため、肉ばかり大量に食べることは避けましょう。それを防ぐためには、ヨーグルトと野菜をたくさん食べること。ヨーグルトの善玉菌や野菜の繊維質は、悪玉菌の作用を抑えてくれる効果があります。

 ただ、日本人の多くはこの事実を知りません。肉食は骨を弱くするし、欧米食や偏食によって深刻なミネラル不足問題が生じています。すると、精神的に不安定になりがちだったり、不妊治療の原因になったりとさまざまなリスクに見舞われるのです。今や、食料自給率が低下し続けている日本ですが、若者も自分たちが食べる物を自分たちの手で培うなど、社会がバックアップする制度を期待しています。

まとめ

今回は、和食の基本的な食材や調理法から、それが健康に導いてくれる色んなチカラについてお伝えしてきました。本書には、著者の幼少期の経験や、日本食をより世界へ拡げるための取り組みなど、経験に基づいた知見がたくさん掲載されていますので、ぜひ一度読んでみてください。和食の原点を学び、日本人として受け継いだ遺伝子を健康に育てていきましょう!

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