料理研究家-関口絢子の体にいいレシピ

【万能野菜麹】腸に良い麹と野菜で健康生活。前編

料理研究家-関口絢子の体にいいレシピ

何でもおいしくする調味料【玉ねぎ麹/にんにく麹/きのこ麹/トマト麹】

今回は我が家に必ず常備している野菜麹というものをご紹介いたします。皆さん、塩麹と言うとすぐ分かるかなと思うんですけれども、塩麹って、麹と塩とお水で仕込みますよね。
野菜麹というのは野菜と塩と麹で仕込んでいきます。なので、ベースになるのはお野菜なんですね。
今回は、玉ねぎ麹、にんにく麹、きのこ麹、トマト麹、4種類を作っていきたいと思います。


それぞれその野菜のベースによって味わいが全然変わってくるんですね。
どれも旨味がギュッと凝縮していてお料理を、それだけで美味しくしてしまう素晴らしい万能調味料になるんです。
どれか1つでもいいし、気に入ったものがあったら是非、2つ3つと仕込んでおくと本当に便利です。
麹から作られる酵素が野菜の旨味と出会って、さらにさらに美味しさを作り出していくというミラクルな出会いがあるわけです。今回、前編後編に分けて前編では野菜麹の仕込み、後編では具体的なとっても簡単な様々な使い方についてご紹介をしたいと思います。

4種の野菜麹

今回、野菜麹は、4種類作っていきます。
トマト、玉ねぎ、そしてにんにく、きのこ麹の4種類になります。
これらの食材って、実は旨味成分がたっぷり含まれているんですね。
よく、トマト麹というのはトマトジュースなんかを使ったりもするんですけれども、濃厚なトマトを使った方がそれだけトマトのグルタミン酸旨味成分も多いので、今回はトマトの水煮缶、結構濃厚ですよね。こちらを使っていきたいと思います。


玉ねぎというのも炒め玉ねぎが味の決め手になるなんていうことも、皆さん経験されていると思いますが、旨味がたっぷり含まれている食材なんですね。にんにくも玉ねぎの親戚みたいな関係なんですけれども、特有の辛味成分である硫化アリルが旨味に変わっていくという、そういう化学反応が起きるんですね。


きのこ麹というのはあまり知られていないんですけれども、きのこというのも何種類かブレンドすると、より美味しくなりますので、この色々なきのこの香りや旨味を凝縮させるということで3種類、しめじ、まいたけ、しいたけを使っていきます。

麹と塩

あと、麹なんですけれども、今回使うのは玄米麹です。
麦麹とか普通の米麹とか、いろんな種類があるんですけれども、これは玄米をベースに作った米麹なんですね。
ここは、お好みの麹を使っていただければと思います。


お塩というのも旨味成分がたっぷり含まれる食材なんですよ。
もちろん、精製してあるお塩ではなくて、天然塩ですね。大量に使う場合は、粗塩みたいなものを用意していただければいいと思います。お好みのお塩を探してお使いください。
ざっくり全体量の8から10%程度のお塩が入るというイメージです。

塩麹など、作り方基本的なものは、このままお塩をよく混ぜこんでというのが多いんですけれども、ードプロセッサーなどで細かく砕いておくとその分、発酵が早くなるんですね。途中で傷んだりする心配もその分減りますので、フードプロセッサーを使って軽く砕いてから使っていきたいと思います。これは、してもしなくても作ることはできますが、今回、こんなひと手間を加えて作ってみたいと思います。

麹がかなり細くなりました。
この状態から使っていきたいと思います。

玉ねぎ麹

材料:麹200g、玉ねぎ600g、塩80g
まず玉ねぎ麹を仕込んでいきます。
玉ねぎ麹は、万能のうま味調味料でもあるので、私は特にたっぷり仕込むんです。
作りやすい量ということで、麹200gそして玉ねぎが600gです。
玉ねぎの水分だけで仕込んでいきますので、玉ねぎが600でそのうちの水分が、ちょうど麹の2倍量ぐらい、400gくらいが水分という感じで、考えています。
そしてお塩が、玉ねぎと麹と足して800になりますので、80g用意しています。
玉ねぎは、すりおろすんですけれども、ちょっと量が多いので、フードプロセッサーがあったら、フードプロセッサーお使いください。初めての方は、半量ぐらいで作ってみるといいと思います。
何を作っても味がばっちり決まるので、野菜麹初めての方は、まず、玉ねぎ麹から始めてみるといいかなと思います。
こんな感じです。玉ねぎが、すっかり綺麗なピューレ状になりました。


おろした状態になりました。先ほどの麹になります。
こちらにあらかじめお塩を入れてよく混ぜておきます。手を使って、しっかりと揉み込むようにしてあげるのが、ポイントなんですね。こんなふうにギュッと握るようにしてなじませていきます。
玉ねぎを加えていきます。あとは全体をしっかりと混ぜていきます。


今は、ツンとした辛い香りがするんですけれども、これが麹で発酵させていくと非常にまろやかな味わいに変わるんです。このまろやかになった味わいこそ、旨味になっていくんです。
本当に、この玉ねぎ麹はびっくりするぐらいの、美味しさなので、はい、しっかり混ざりました。
清潔な保存容器です。
仕込んだ玉ねぎ麹をこのように移したら蓋をして、毎日一回上下を混ぜるような感じしで、空気を入れてあげて、だいたい一週間から10日ぐらい常温に置いて発酵させていきます

トマト麹

材料:麹200g、ホールトマト1缶(400g)、塩60g                              続いてトマト麹です。先ほどと同じようにお塩を麹の中に入れてよく混ぜ合わせていきます。
今度は、トマトの水煮をこちらに加えて、しっかりと馴染ませていきます。
今回はトマトホールサイズ使っていますけれども、カットトマトを使っていただいても結構です。
一応、カットトマトとホールトマトって、ただ切ってるか切ってないかではなくて、トマトの品種が違うそうなんです。
ホールトマトの方が、結構濃厚な味があるそうなので濃厚なトマトの味を楽しみたいと思います。
つぶしながら全体を混ぜていきます。

トマト麹の場合は、少し水分量がギリギリな感じなので、発酵している過程で水分が足りなくなってきたなーと思ったら、トマトジュースなどで少し追加してもいいし、お水を加えていただいてもいいです。
麹がしっかりと戻ってふっくらしてくるぐらいのお水は、いつもキープしていくという感じです。
今回はトマトのホール缶使っていますけれども、トマトジュースで作っていただいても結構です。
フレッシュトマトを使っていただいても結構なんですけれども、フレッシュトマトよりもこういう加工トマトの方が凝縮している分、しっかりとした旨味ができるんです。この辺りはお好みで作ってみてください。

きのこ麹

材料:材料:麹200g、きのこ3種300g、塩70g                         続いて、きのこ麹を作っていきます。先ほどと同じように麹とお塩です。麹が200gそして、お塩が、今度きのこが少し入りますので、さっきよりちょっと多め全体で700gぐらいの量になりますので、お塩70g入れています。
きのこ麹だけは、きのこを加熱してきのこをギュッと凝縮させます。


そして、こちらの麹とお水を使って発酵させていきます。きのこの量が多いので、フードプロセッサーで細かく切っていきます。きのこは硬い石づきのところなどを取り除いて適当にちぎっていきます。
あまり、水洗いをしてしまうと風味が飛んでしまうので、ちょっと気になるような所があったら固く絞った布巾で拭くようにしてください。
きのこの方、すっかり細くなりました。こちらを、これからフライパンで乾煎りして余分な水分を飛ばしていきます。
旨味をギュッと凝縮させたいんです。


油も何にもひかなくて大丈夫です。今、フライパンの半分ぐらいの嵩になっていますけども、これがぐっと水分が飛んで、1/3量ぐらいになるまでしっかりと乾煎りしていきます。
焦がさないように、このきのこの旨味を引き立てるようにしながら炒っていきますね。きのこの水分が飛んでいくとだんだんいい香りに変わってきました。
この3種類のきのこのブレンドした香りが、ふわーっと水分が蒸発するたびに香ってきます。
これがきのこの旨味をどんどん凝縮している合図なんですね。だいぶ、きのこの量が減ってきましたね。


あともうひと頑張り水分を飛ばしたいと思います。きのこはですね、完全にペースト状になりました。
煮詰まってくれば大丈夫です。
元の量覚えてますか?フライパンの半分ぐらい、ふわっとしたきのこが本当に、きゅっと小さくなりましたね。
1/3というより1/4ぐらいに感じます。もう余分な水分を結構飛んでいます。
このまま粗熱を取るような感じで、少し広げて放置しておきます。


先ほどのお塩と麹、混ぜたものにお水を加えていきます。ちょっと麹が200なのでお水400入ります。
このまま発酵させると、塩麹になるんですけれども、ここに先ほどのきのこを加えていきます。
麹が発酵するたびに、旨味成分もアミノ酸を作っていくんですけれども、そこにさらに、このきのこに含まれるアミノ酸などの旨み成分、香り、こういったものがブレンドされることで絶妙な味わいに仕上がります。

にんにく麹

材料:麹200g、にんにく1玉(60g)、塩60g                          続いて、にんにく麹です。こちら麹が200gです。お塩が60g入ります。
先ほどと同じように、混ぜていきますね。
そして、にんにくをすりおろすんですけれども、全部、可食部分で60gぐらいあります。
フードプロセッサー使っていますので、ここで400gのお水を、加えていくんですが、このにんにくを細かく切るときのお水として、一緒に混ぜてしまいます。先ほどの麹です。


そこに、にんにくとお水をしっかり混ぜて、おろしにんにく水ですね。
こちらを加えていきます。
残りのお水も入ります。しっかり混ぜるだけです。
にんにくの風味がついた、とってもおもしろい塩麹なんですけれども、おろしにんにく、チューブでも大丈夫なんですけれども、やっぱりせっかくなら香りの良い、おろしたてのにんにくを使っていただくと、より美味しく仕上がると思います。

ポイント

4種類の野菜麹仕込みました。玉ねぎ麹、そしてトマト麹、きのこ麹、にんにく麹です。
きのことにんにくは、水分を多めなので、そのままでもいいと思うんですけれども、トマト缶で仕込んだトマト麹は水分が少し少なくなって固くなってくるので、トマトジュースかお水などで少し水分を補充してあげて、表面がひたひたとした状態ぐらいに水分を保持してあげるといいと思います。
ただ大幅に水分量なんかを増やしすぎてしまうと、全体の塩分量のバランスが変わってきてしまって、塩分量が少ないと傷みやすくなったりもしますので、水分量の調節、あまりたくさん入れすぎないようにしてください。


毎日1回全体をかき混ぜてあげるという感じです。
温度帯にもよりますけれども、だいたい1週間から10日ぐらい常温に置いて発酵させていきます。
もし、急ぎで作りたい場合、ヨーグルトメーカーを使っていただいたり、炊飯器の保温機能などで、60°cぐらいをずっとキープできるような環境にしてあげると7~8時間で完成いたします。

2日目の野菜麹です。一日一回は、全体を混ぜてあげます
トマト麹ですね。麹が水分を吸っているので少し、トマトジュースを足しておきたいと思います。
にんにく麹です。こちらは水分、十分ありますので、全体を混ぜるだけで大丈夫です。
こちらはきのこ麹です。こちらも水分量は、たっぷりありますので、全体を混ぜておくだけで大丈夫です。
麹がどんどん美味しくしてくれますので、毎日面倒見てあげてください。

4種類の野菜麹が完成しました。ちょうど一週間ぐらい経った感じです。
今回は麹をあらかじめフードプロセッサーで砕いているので、麹が水分を吸ってふやけるのも早いし、そのぶん発酵も少し早まりました。一週間目なんですけれども、旨味もたっぷり増して、ふわふわと麹も柔らかくなっています。
これが出来上がりの目安です。麹が固いうちは、少し常温に置いといて、完全に麹の芯がなくなるのを目安に、発酵させてみてください。まずは様子を見ていきたいと思います。
はいこちら玉ねぎ麹です。
こんな感じで、玉ねぎ麹はちょっとゆるめのお味噌みたいな感じに仕上がっています。
ツンとするものが全部旨味に変わっているんですね。この玉ねぎ麹自体も、食べることができるので発酵食品がしっかりととり入れられると思います。


そしてこちらがトマト麹です。大体これも、玉ねぎ麹と同じくらいの柔らかさに仕上がっています。
酸味よりもトマトのグルタミン酸とか旨味成分が多いので、また違った奥深さがあるんです。
そして、こちらがにんにく麹ですね。このまま焼いたお肉のたれ何かにしてしまってもいいと思います。


そして、こちらきのこ麹です。リッチな味わいに仕上がっているんですね。
結局、全部万能なんですけれども、それぞれの良さがあったり使い方があったり、多少の味の変化を楽しんでいただくこともできますので、是非、作ってみていただきたいなと思います。
今回は野菜麹4種類をご紹介いたしました。次回は野菜麹を使ってとってもシンプル、本当に美味しくて便利な活用法についてご紹介してまいります。気軽に発酵食品を取り入れるには本当に便利です。
是非気になる野菜麹があったら作ってみてください。

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