食に関する本のブログ

大腸に届いて、腸内善玉菌を増やす オリゴ糖(梶原苗美氏)要約

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今回は「オリゴ糖」の要約です。
著者は医学博士の梶原 苗美(かじわら なえみ)氏です。

オリゴ糖は、厚生労働省からトクホ(特定保健用食品)として「お腹の調子を整える栄養素」と認められています。
デンプンや食物繊維(セルロース)などの多糖類に対して小糖類とよばれています。
もっともよく知られている代表的なものとして、フラクトオリゴ糖があり、その他に、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖などがあります。
オリゴ糖は、小腸で吸収されずに大腸まで到達し、善玉菌を増やします。
その結果、腸内環境が良くなり、大腸ガンなどの発生を予防することにもつながるため、注目されています。
今回は、トクホとして認められているオリゴ糖の働きや作用について説明します。

本要約の要点は、3つです。
1,オリゴ糖の働き
2,オリゴ糖の作用
3,生活習慣病の予防

オリゴ糖の働き

オリゴ糖は簡単にいうと腸内の善玉菌であるビフィズス菌を増やしてくれます。
善玉菌であるビフィズス菌の栄養源になって善玉菌を増やすのです。
実験によると、2週間位オリゴ糖を飲み続けた場合、腸内のビフィズス菌が10~100倍にも増えるという驚くべき報告がありました。

オリゴ糖を造るには、原料の前処理をし、上澄みが出来、ろ過され、脱色脱塩され、濃縮をしてオリゴ糖が出来上がります。出来上がったオリゴ糖は、熱にも酸にも強いので、用途も広く、大変注目されています。
オリゴ糖には、甘みがありますが、人間の小腸にはオリゴ糖を分解する酵素を持っていないために、摂取しても消化吸収されることはく、大腸にまで達します。
そして、オリゴ糖は、難消化性なので、摂取したとしても、血糖値を上昇させませんし、血中のインスリン濃度も変えないのです。
したがって、オリゴ糖を摂取しても肥満の心配はなく、むしろダイエットに最適の甘み成分で安心して摂ることができるのです。

オリゴ糖の作用

オリゴ糖はビフィズス菌を増やすと前述していますが、善玉菌が増える過程でオリゴ糖が発酵分解されると、酢酸などの有機酸がつくられるために、腸内が酸性に傾きます。
するとウェルシュ菌などの悪玉菌が生息しにくくなり、腸内の環境がよくなっていきます。
そして、腸を刺激し、蠕動運動を活発にするために、便秘の改善や大腸ガンの予防に有効なのです。

また、オリゴ糖はタンパク質の消化吸収を助けたり、ミネラルの吸収を促進するなどの他、脂質代謝の改善、虫歯や歯垢の原因にならないなどの作用があります。
オリゴ糖の作用を詳しくみていきます。

1.腸内の善玉菌を活発化させ、ビフィズス菌や乳酸菌を増やし、腸内のバランスを整えて、お腹の調子を整えてくれます。
2.ビフィズス菌には抗ガン効果が見られ、わが国の死亡原因第一位である大腸ガンや直腸ガンの予防に効果があるとされています。
3.オリゴ糖の摂取により、ビフィズス菌が増え、腸内環境が改善し、免疫力が高まることがわかっています。
ガンをはじめとしたあらゆる病気に抵抗力を備えることができます。
4.アレルギーの改善にも有利な成分であることがわかっています。
乳児のアトピー性皮膚炎や喘息、食物アレルギーなどに関しても、生後間もない頃に形成される腸内細菌群の構成割合が発症の一因であると考えられています。
5.オリゴ糖は、腸内のphを下げて、腐敗菌の発生を抑える働きがあり、腸の中のビフィズス菌などの善玉菌を増やすので、老化も遅らせることができます。
6.オリゴ糖には、コレステロールを下げる効果があり、高血圧、動脈硬化、心臓病、脳卒中、肥満などの危険性も少なくなります。
7.美しい肌と便秘は関連性があり、便秘症になるとニキビや肌荒れの原因となります。
肌荒れに悩む人の腸内には、ウエルシュ菌などの悪玉菌がたくさんあります。
美しい肌を保つためには、ビフィズス菌を増やさなければなりません。


8.毒素が体内に溜まってしまうと、代謝系の乱れを生じさせ、細胞内環境が悪化し、活性酸素などによって、体に悪影響を及ぼしてしまいます。結果、免疫力を低下させ、生活習慣病を引き起こしてしまいます。ビフィズス菌を増やすことで、解毒作用が起こり、肝臓への負担が軽くなることが医学的にも認められています。
9.オリゴ糖の摂取によりビフィズス菌が増えることで、更年期障害(主として、熱感、冷え性、めまい、発汗、動悸など)の改善が報告されています。女性特有のものと考えられがちですが、男性にもあります。
10.難治性の下痢に効果があると報告されています。難治性の下痢の腸内細菌を調べるとビフィズス菌の減少がみられたのです。下痢の原因は、腸内で悪性の細菌が悪さを行うためですが、ビフィズス菌が増えることで、下痢の改善だけでなく、糖尿病患者の健康管理や虫歯の予防などの作用があります。

生活習慣病の予防

生活習慣病は単なる成人特有の病気ではなく、偏った生活習慣が原因で起こる病気であることが明らかになってきています。今や、若者から大人まで増え続けています。

最近では、バランスの悪い食生活、慢性的な運動不足、ストレスの多い社会環境など、日常の生活習慣を改善することによって、病気の発症を予防しようという流れになっています。
オリゴ糖は、生活習慣病の予防に、一役買ってくれますので、日常生活に上手にとりいれていきたいものです。

まとめ

今回は、オリゴ糖の機能や作用を詳しく説明してきました。
糖というと、砂糖同様、体に悪いのでは?と思いがちですが、オリゴ糖には、肥満の心配もありません。摂取することで、ビフィズス菌が増加し、腸内環境を整え、そのことによって、便秘、ガン、免疫、アレルギー、老化、生活習慣病予防、美肌や解毒に更年期障害や下痢の改善など、嬉しい効果がたくさんあることがわかりました
日本の中の有数の長寿県での調査でも、高齢者は腸内にビフィズス菌をたくさん持っていたという研究もあり、長寿との関係も明らかにされています
積極的にオリゴ糖を摂取することは、いいことづくめですね。
オリゴ糖は大豆や根菜など野菜に含まれ、食品からとることもできますし、市販の商品もありますので、毎日の食生活にプラスしてみてください。気になる方は、ぜひ一度手にとって読んでみてください。

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