腸に関する本のブログ

新しい腸の教科書(江田証氏)要約

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今回は「新しい腸の教科書」
著者 江田証氏の本の要約です。さっと動画で見たい方はこちら、約7分半です。

文章で読みたい方は、こちら。目次でお好きなところからお読みいただけます。

「新しい腸の教科書」 著者 江田証氏

あなたは腸の働きについて、ちゃんと理解していますか?

身近な臓器なので何となく「栄養や水分を吸収する」ってことは漠然と知ってしても、「私たちの心や脳にも影響を与えている」ということは知らないかもしれません。
実は腸は思っている以上に私たちの身体的・精神的健康に大きく関わっているのです
本要約では、その腸に隠された知られざる働きについて解説していき、腸を健康にする食品についても解説していきます。
是非最後までお楽しみください!

本書の要点は以下の3つです。
1.消化・吸収はどのように行われるのか
2.第二の脳と腸内フローラ
3.腸が整う食べ物

消化・吸収はどのように行われるのか

腸の働きの中で、最も主要なものは食べ物の消化・吸収です。しかし、その機能ですらキチンと説明できる人は少ないのではないでしょうか。ではまずは、口から入れた食べ物がどのような流れを経て、便として排出されるのかを見ていきましょう。

口腔内で咀嚼された食べ物は食道を通って胃に運ばれ、強い酸性の胃液によってドロドロに溶かされます。この時十二指腸にある大小の「十二指腸乳頭」という弁が開き、胆嚢から肝臓で作られた「胆汁」、膵臓で作られた「膵液」が流れ込み、胃から十二指腸に送られたドロドロの食べ物や胃酸が混ざり合います。

消化物とこれらの消化液は1日に約9リットルほどになり、小腸では7リットルほど吸収されます。残りの2リットルは大腸で処理され、腸内細菌が食物繊維などを発酵させながら水分を吸収して体外に排出すべき便を生成します。
この時、大腸での滞在時間が長くなると水分の吸収が進んで便が硬くなり、短いと水分量が多くなって軟便になるのです。

「胃」「膵臓」「肝臓」「胆嚢」など、消化吸収の活動だけ見ても様々な臓器と関わっている腸ですがこれだけではありません。腸とは一見関係が浅そうな「心臓」は、腸に不調があればその信号が自律神経を通じて伝えられ、心拍数を上げ下げして腸の働きと連動して結周をコントロールしています。また「肺」も自律神経と密接に繋がっており、呼吸を整えることで腸のぜん動運動をサポートしています。

このほか「脾臓」は免疫系、腎臓はホルモン分泌系といったように、体の「スイッチングハブ」である腸は、各臓器と互いにコミュニケーションをとりながら、体内機能のバランス維持に日夜努めているのです。

第二の脳と腸内フローラ

そして腸について近年注目を集めているのが「腸管神経」です。腸には約1億個の神経細胞が存在し、これは脳に次ぐ多さです。しかも腸のコントロールは全て脳が支配しているのではなく、腸が自ら判断を下す機能を持っていることから「第二の脳」とも呼ばれています

腸管の組織は多層構造になっていて、腸壁の粘膜下に「粘膜下神経叢」があり主にホルモン分泌などを支配、さらにその外側の層には「筋層間神経叢」があり、腸のぜん動運動をコントロールしています

これらの腸管は迷走神経を通じて脳とつながっています。迷走神経は主に腸の働きを活発にする副交感神経の機能をもち、逆に腸の動きを抑える交感神経は脊髄の中枢神経とつながっています。

中でも特に注目されているのは「脳腸相関」という双方向のネットワークです。脳と腸の情報交換は脳からの一方通行ではなく、腸からも脳にメッセージを発信するのです。つまり、腸の調子が良いと心も体にも良い影響が与えられ、逆に腸の調子が悪いと心も体にも悪い影響が与えられるのです。

では、「腸の状態が良い」とはどのような状態のことを指すのでしょうか。それはすなわち「腸内細菌のバランスが良い」ことです。腸内細菌とは文字通り腸内の細菌のことですが、これは宿主である人と共生関係にあり、食物から得る栄養素をエサに発行することで増殖します。また、様々な代謝物を生成することで、人体の機能に大きな影響を与えています。

そしてこの腸内細菌の生態系は「腸内フローラ」と呼ばれ、その総重量は何と1.5kgにもなります。腸内細菌はその機能から「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」に分類されており、これらのバランス「2:1:7」が重要になってきます。

腸が整う食べ物

しかしながら、偏った食事や運動不足などの影響で腸内細菌の種類や多様性が失われることがあります。私たちの身体的・精神的健康を保つためには腸内フローラを良い状態に保つことが大切ですから、これは大きな問題です。本要約では最後に、腸内フローラを整えるための食べ物について解説して終わります。

本書で紹介されている腸内フローラを整えるための食べ物はヨーグルトや味噌などの「発酵食品」、海藻やごぼうなどに含まれる「植物性食物繊維」、バナナや蜂蜜などに含まれる「オリゴ糖」、アマニ油や青魚などの「EPA・DHA」です

発酵食品には悪玉菌の増殖を抑える働きがありますし、植物性食物繊維は善玉菌のエサになります。オリゴ糖は乳酸菌のエサとなって善玉菌を増やし、EPA・DHAは腸の炎症を抑えて善玉菌が増えやすい環境にします。どれも違ったアプローチをとっているものの、これらは全て腸内フローラのバランスの維持に寄与します。また本書にはこれらの食品の具体的な調理方法が記載されていますので、気になった方はそちらもチェックしてみてください!

まとめ

今回は「腸の教科書」の要約をしました。
基本的な腸の消化・吸収の働きから臓器のスイッチングハブとしての働きから始まり、あまり知られていない機能として「第二の脳」としての働きまで、腸は様々な役割を担っています。その中で身体的なトラブルだけでなく精神的なトラブルまでこの「腸」に通ずること、それを改善するためには「腸内フローラ」が大切になってくること、そして腸内フローラを整える四つの食品として「発酵食品」「植物性食物繊維」「オリゴ糖」「EPA・DHA」が挙げられることなどを解説しました。
本書は私たちの「腸」について知るために、図解を含め非常にわかりやすく解説されています。気になった方は是非本書を手に取っていただき、今後のあなたの健康生活に役立てて頂ければ幸いです。

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