料理研究家-関口絢子の体にいいレシピ

日本を代表する健康食 お味噌の健康効果

料理研究家-関口絢子の体にいいレシピ

今回は、お味噌がテーマです。
日本の生み出した最高の健康食品として、その健康効果、そして活用法などを前編・後編に分けてお届けしていきます。
前編では、お味噌の健康効果、そして最高の味噌汁を作るポイントについてお話をしていきます。
後編では、お味噌の選び方、お味噌たくさんありますけれども、どれを選んだらいいのかということについて、そしてお味噌を使った便利な調味料3種類をご紹介します。

お味噌の健康効果

お味噌の健康効果についてお話しします。
味噌の原料というと大豆になります。
それぞれの栄養も、もちろんあるんですけれども、それ以上に発酵をさせることで、いろんな栄養素が生まれるんです。
例えば大豆に含まれる栄養、三大栄養素、たんぱく質、炭水化物、脂質がありますよね。
それを発酵させることで、大豆由来のアミノ酸が増えます。そして発酵によって作られたアミノ酸も増えるので、お味噌には必須アミノ酸がいろいろ豊富に含まれているんです。
またビタミンも発酵によって作り出されます。微量栄養素と言われるミネラルも豊富に含まれています。
そして食物繊維も豊富なのです。さらにお味噌にはレジスタントプロテインという難消化性タンパク質を豊富に含んでいることで、コレステロールを低下するという作用も期待されています。
その他、お味噌特有のものというと色がありますよね。
大豆は白っぽいんですけれども、お味噌になるとどんどんどんどん色が茶色く濃くなってきます。
あの色こそがメラノイジンという健康成分なんです。
このメラノイジンは、お味噌の中でも一番期待されている成分で、もともとは AGEという糖化最終産物、どちらかと言うとネガティブなイメージのある物質でもあるのですがそのAGEの中でも、お味噌のメラノイジンは有効な働きをすることがわかっています。
メラノイジンはレジスタントプロテインと併せてコレステロールを下げるという働き、そして発がん物質を分解するということがわかっています。
お味噌汁を飲む方は、飲まない方よりも、がんのリスクが下がるというデータがあるんです。
これは摂らない手はないですよね。
今2人に1人ががんになる時代と言われていますけれども、このがんのリスクを減らす上で、非常にお味噌は役に立つようなんです。


マウス実験なんですけれども、お味噌を3日で作っちゃったもの、そして4カ月発酵させたもの、半年発酵させて作ったお味噌、それぞれをマウスの餌にして、食べさせたデータがあるんですが、この半年熟成させたお味噌を食べさせたマウスが一番、がんのリスクが少なくて長生きをしたというデータもあるんです。
お味噌も色々ありますけれども、しっかりと熟成させたお味噌が特に有効だということがわかっているんです。
お味噌選びの重要なポイントにもなると思います。
お味噌には血圧を下げる効果があるそうなんです。味噌汁を何杯も飲むというと、まず塩分の摂りすぎが、気になってしまうんじゃないかなと思うんですけれども、お味噌に関して言うと、血圧を上げる塩分が含まれているにもかかわらず、お味噌として摂ることで血圧を下げるそうなんです。
ですので、お味噌汁をとっていて、高血圧の心配になるということはないそうです。
なので、安心して、お味噌汁は摂った方がいいということなんです。
それからお味噌の放射線を防御する作用というものが知られています。
女房と味噌は古いほど良いなんていう諺があるようなんですけれども、まさに熟成されたお味噌というのは最高の健康食品だということなんです。
お味噌の健康効果が分かったところで、お味噌汁を作りたいと思います。


お味噌汁は結構、ご家庭の味があると思いますが、今回は煮干しのお出汁を使いたいと思います。
もちろん昆布やカツオを使っていただいてもいいし、パックだしのようなブレンドだしを使っていただいても結構です。
強めのお出汁を効かせていただくと、よりお味噌汁、美味しくなります。
具材の方は春野菜を使います。春野菜は、解毒の役割があると言われていますので、今回は
この菜の花と新玉ねぎで作っていきたいと思います。
具材の方も冷蔵庫の野菜とかお豆腐とか、もう何でもいいと思うんです。
具材の量をたくさん入れていただければいただくほど、お味噌汁が食べる味噌汁として、一品料理としてしっかりと栄養バランスも整いますので具材多めがおすすめです。
お味噌汁も毎日のことだったりするので、あまり厳密なルールにとらわれる必要は全然ないと思うんですけれども、一応基本的な配合として、お水500mlに対してお出汁が2%(10g)、今回、煮干しを用意していますけれども2%というと可食部で10g という感じです。
これはかつお節にする場合や、昆布に置き換える場合もだいたい2%分くらいのお出汁を用意すると考えていただくといいと思います。
お味噌は大さじ2杯半から3杯ぐらい、これも、お味噌の塩分とか味わいによって多少調整してください。
今回、煮干しを使いますので、煮干しの下処理をしていきます。
ちょっと大ぶりの煮干しですけれども、このまま使うよりは、ちょっと簡単に、頭と内臓を取っていただいて半分に裂いていただくとお出汁が出やすくなります。
お腹のところに黒いわたが入っていますので、このわたを取り除きます。あとはこの煮干しを、真ん中のお腹のところをキュッと押すと、半分に裂けてきますので、それで2つに分けていきます。
内臓が、この辺にまだついてますので、こういうのをちょっとポロンと取り除いてあげると、クリアなお出汁がとれます。
綺麗に煮干しのわたと頭がとれました。この煮干しですけれども、お水に直接入れて一晩おいておくというような、出汁の取り方もあります。(一晩水出し)
こうすることで雑味のないをお出汁が取れるんですね。
または煮出して、しっかりと出汁をとるという方法、両方あります。それでは、先ほどの煮干しとお水ですね。こちらを煮出していきます。それでは煮干を煮だしている間に、お野菜を切っておきます。
新玉ねぎ1/4個分、切りました。あと菜の花ですね。こちらはザク切りです。
お味噌汁は実はもう具材って何を入れたらいい、入れたらいけないというルールもありませんので、色々なお野菜を活用していただければと思います。
毎日、5皿分のお野菜を摂るといい、というそういう推奨もありますので、お味噌汁一杯でひと皿分と言えるぐらいのお野菜が入っているといいと思います。
だいたい小鉢一つ分くらいが一皿というカウントをしますので、お味噌汁一杯でその一つのおかずというようなぐらいのお野菜が摂れたらいいと思います。
お出汁、だいぶ出てきました。ちょうど、沸騰してから約5~6分経ったところです。
ちょっとグラグラという感じの火加減でお出汁をとりました。それでは煮干しを取り除いていきます。それでは菜の花を加えていきます。
菜の花、さっと色が変わってきたところで新玉ねぎが入ります。
どちらもそんなにあの硬いお野菜ではありませんし、新玉ねぎも生で食べれるぐらいのお野菜なので、加熱しすぎずにお野菜の香りや食感が残るぐらいの火の入れ方で仕上げたいと思います。
それで、ここで、1回火を止めます。
お味噌の入れ方がとにかくポイントです。お味噌は煮立たせてしまうと、お味噌の香りであるアルコールとかエステルという成分、揮発成分ですね。なので、ここは煮立たせずに、必ず、火を止めてからお味噌を入れていきます。
ちょうど、お味噌を入れる前の温度90度ぐらい、グラグラ沸騰する手前くらいの温度ですけれども、このぐらいのうちに、お味噌を入れて、でもここからは火を入れないで、このぐらいの温度帯でお味噌を溶かして仕上げになります。
お味噌を入れたらとにかく沸騰させないというのが美味しく仕上げるポイントです。もし、発酵状態のお味噌の麹の菌を生かして召し上がりたい場合は、70度ぐらいに冷ましてから、お味噌を入れていただくとお味噌の酵素とかそういったものもまだ生きている状態で、召し上がっていただけるお味噌汁になりますので、温度帯という感じで使い分けていただいてもいいと思います。
菜の花と新玉葱のお味噌汁完成しました。日本を代表する健康食です。毎日1杯の体に良いこと!
今回はお味噌の健康効果と味噌の効果を最高に引き出したお味噌汁のポイントについてご紹介しました。
次回、後編では、お味噌の選び方そしてお味噌を使った調味料をご紹介していきます。
お味噌のことを色々調べれば調べるほど、本当に素晴らしい健康食品なんだなぁということを再認識しています。具だくさんのお味噌汁をしっかり摂りたいなと思った次第です。

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