健康に関する本のブログ

死亡率のトップ 発ガンの原因(星崎東明氏)要約

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今回は「発ガンの原因」の要約です。
著者は元・大阪赤十字病院副院長・医学博士の星崎 東明(ほしざき はるあき)氏です。

ガンは地球上いたるところに現われて人々を脅かしながら増加しつつあります。
菜食中心で有名な長寿村のフンザ王国にも、オットセイの生肉食で健康な歴史をつくってきたエスキモーにも、まるでガンとは縁のなかった国でさえ、ガンが今や脅威となってきたのです。


ガン制圧に尽力する熱心な医学者や研究者によって、貴重な研究データが発表されますが、未だに決定的な制圧法はみられてはいません。本書では、世界中の脅威であるガンの原因はどこにあるのか、その進行過程や発ガン物質、ガン予防のための食事の注意点などについて書かれています。

本要約の要点は、5つです。

  1. ガンは死因のトップ
  2. ガンの原因
  3. ガンの進行過程
  4. 発ガン物質
  5. ガン予防は食事に注意

ガンは死因のトップ

ガンが脳血管疾患を抜いて、日本人の死因トップになったのは、1981年でした。
国民医療費からみても、ガンは全体の一割を超えており、断トツの首位です。
厚生労働省研究班の研究によれば、生涯にガンにかかる割合は、男性の2人に1人、女性の3人に1人と予想されています。
また、ガンは、細胞の老化と密接に関連しており、高齢社会が進むとガン患者も増加することが推測されます。

こうした事情を背景に、国を挙げてガン対策に取り組もうと、2007年4月にガン対策基本法が施行されました。
そして、対策の実施主体の都道府県は、独自の計画作りを急ビッチで進めています。

ガンの原因

ガンの原因についてはいろいろな説が出されていますが、多くの裏付けをもつ、ドイツのウィルヒョウ博士の「ガン発生刺激説」はとりわけ有力説とされています。


常に特定の刺激が長期間、決まった場所にくり返されて加えられると、その部位にガンを生ずるというものです。
これを証明するかのように、1915年の東京大学教授であった山際、市川両博士がウサギの耳にコールタールを約1年間塗り続け、人工的にガンをつくることに成功し、世界中の注目を集めたのでした。

また、食品についても、加工食品や半加工食品などの、インスタント食品が食卓を占め、季節感のない野菜は農薬によって育てられたものであり、さらに、暴飲暴食、不節制、運動不足、環境汚染、過労、ストレスといった個人的な限界までが加わっているのですから、ガンから逃れるすべはありません

ガンの進行過程

ガン細胞の進行過程には次の特徴があります。
1つは、自律性というもので、体全体の統制下に細胞が増減するのではなく、非常な速さで勝手気ままに発育、増殖します
そして2つ目は、浸潤性で、正常な細胞を押しのけるだけでなく、正常な部分にまで侵入し、自分勝手に好きなだけの栄養分を摂って増加します。
もう1つは、転移性で、どんな障害にもめげず、自由に拡がっていき、方々や出店をつくり、そこを根城にまた伸びていくタイプです。
このように、特異な進行能力をもって確実に人体を蝕んでいくのが、ガン細胞の特徴なのです。
未だに解明されていないガンの原因ですが、最近では、発ガン物質によるものが80%で第1位、放射線、宇宙粒子などが原因となるものが第2位、その他ウィルスによって起こるものもあるらしいと考えられています。

発ガン物質

発ガン物質といえば、以前新聞紙上をにぎわした食品漂白剤のH2O2、二酸化水素を思い浮かべる人もあると思います。
魚のこげたのやワラビ、精神安定剤も悪いらしい、と身の回りすべてが発ガン物質に囲まれているように神経質になっている人がいます。
そこで、興味深いアメリカでのデータをご紹介しましょう。
ガンの原因になると思われる物質を約5000抽出して精査したところ、このうち、180に発ガン性が、あるらしいことがわかり、さらに300にかなりの発ガン可能性が認められたのです。


そこで、WHO(世界保健機関)でより詳しく調べたところ、21のほぼ確実な発ガン性物質がみつかりました。有名なというより悪名高き、3-4ベンツピレンやDDT、BHCなどがこの21の中に入っています。
ところで、発ガン性物質になる前に細胞の組織を狂わせるものを、変異原性物質と呼びます。魚や肉を焼いたもののなかには、変異原性物質が多く含まれ、肺ガンの敵と言われるタバコに関しては、こちらも変異原性物質が含まれていることがわかっており、肺ガンだけでなく、胃ガン、肝臓ガンの原因にもなっているようなのです。

また、水道水の中に含まれている、トリハロメタンや、ハム、ソーセージなどの発色剤に使われている亜塩酸、味噌やしょう油などの防腐剤として広く使用されている食品添加物のソルビン酸なども発ガン物質として疑われています。
そんな中、私たちの食生活では食品添加物の使用が急速に増えています。
また、これら医学的に問題になっている発ガン物質だけではなく、農薬にも発ガン性があり、最近、輸入食品の残留農薬にも発ガン性が疑われ、自然食品回帰(オーガニック)への流れが加速しているのです。

ガン予防は食事に注意

ガンを予防するには、まず食事に注意をはらい食品添加物などは避け、残留農薬などが含まれていない食品を摂ることを心がけたいものです。
生活様式が欧米化するに比例して、発ガンも増えています。
これといった原因がはっきりとしていない以上、神経質になる必要はありませんが、悪いといわれている生活習慣や食事は改善するほうが利口というものです。


同志社大学教授の西岡一医学博士は、食べ物をよく噛むことを提唱しています。
よく噛むことで、実験の結果から約21種類の発ガン物質が消えたという報告をしています。
歴史的にも長寿であった秀吉は「よく噛んだ」ということがわかっています。
そして、暴飲暴食をしないことが原則です。
塩魚、漬物、佃煮のような塩辛いものは、あくまでも少量を守ることです。
また出来るだけ、新鮮な食品をよく洗って使うことです。

人間の体は一定の体液濃度と一定の生体リズムで操業されているものですから、刺激となるものは出来るだけ控え、季節には季節の食品を摂り入れる基礎的な態度だけは身につけていただきたいと思います。
また発ガンには、活性酸素が関与していますので、日頃から抗酸化食品(ビタミンCやE、ポリフェノール類など)を上手に摂取することや免疫力を下げない生活習慣が大切なことです。

日常生活の中で出来るだけガンの原因を避けようという趣旨で、国立ガンセンターがガンを防ぐための12箇条を提唱しています。
その一部を紹介します。
1. バランスの摂れた栄養を摂る
2. 食べすぎを避け、脂肪は控えめに
3. お酒はほどほどに
4. タバコは吸わないように
5. 食物からビタミン、繊維質のものを多くとる
6. 日光に当たりすぎない 
7. 適度にスポーツをする
などです。

これは、とりたてて特別なことではありません。日常生活の中で少しだけ注意をすれば誰もが簡単に実行できることばかりです。
この内容は、厚生労働省が1996年に発表した生活習慣予防のための食生活とほとんど重なります。つまり、ガンは究極の生活習慣病でもあるのです。

まとめ

この本の要約では、世界中の脅威であるガンについて、いろいろお伝えしています。
これをすればガンにならないなどというようなことは、解明されていないのが事実ですが、毎日の生活習慣や食事に注意し、少しでもガンから遠ざかるような健康的な生活ができれば幸いです。ここでは、述べていませんが、ガンを早期発見するための危険信号や、現在のガンの治療法、その他のガン予防12か条に関して、説明されています。ガンの解明と特効薬の発見は、人類共通の願いです。
興味があればぜひ一度手にとって読んでみてください。

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