料理研究家-関口絢子の体にいいレシピ

炊飯器で簡単発酵 お砂糖使わず、さつま芋と麹で作る発酵芋あん!

料理研究家-関口絢子の体にいいレシピ

今回は、発酵芋あんを作ります。
前回、発酵あんこというお砂糖を一切使わずに麹菌で、小豆のでんぷんを発酵させることで、糖化させた甘さを出していくという、とってもヘルシーなあんこをご紹介しているのですが、それの芋バージョンになります。
ダイエットをしたいけれども甘いものは食べたいという方必見です。
材料は、サツマイモは500g ぐらいの大きさのちょっと大きめのお芋です。
それから米麹そしてクチナシの実です。
これは栗きんとんなどを作る時に色付けで使うものなんですけれども、なければ使わなくても結構です。
まず、お芋の皮をむいていきます。
悪いところを切り落としておきます。さつまいもって、すぐ空気に触れると、黒っぽくなるんですけれども、これはクロロゲン酸というポリフェノールの反応なので、お水にさらしたりせずにこのまま使っていきます。
お正月に栗きんとんを作られた方はクチナシの実がまだ余っているんじゃないかなと思うんですが、黄色い色をつけるものでたくわんなんかでも、使われるのです。
このようにお茶パックに入れて麺棒か何かで叩きます。
この殻の中に黄色い色素が出てくる部分がありますので、お茶パックの袋を切らないようにして軽く叩いて潰しておきます。
さつまいもが、かぶる程度のお水を入れて、先ほど潰してあるくちなしの実の入ったパックですね。
これどんどんお水に溶けて黄色い水になってきました。
後は、落としぶたをしています。
さつまいもをしっかりと柔らかくなるまで茹でていきます。様子をみてみます。
茹でてお水が、すごい鮮やかな黄色になってますね。
くちなしからの色素が十分出ている状態です。お芋自体、すっと串が入りますので、柔らかくなってるんですけれども、黄色いお水自体も体にいい成分なのです。これはクロセチンといって生活習慣病の予防などに役立つ成分(抗酸化物質)もあったりしますので、余分な水分を煮詰めて少し濃縮させたいと思います。
お鍋を持ち上げてみると、煮汁が少し煮詰まってきました。
アクみたいなのはうかんでますけれども、体にとっては有効成分ですので、すくわないでこのままで結構です。
それでは火を止めます。
くちなしの実を入れない場合も煮汁を多少煮詰めてあげると、風味がしっかりしたお芋ができますので、少し煮詰めてあげるといいと思います。
それではすっかり柔らかくなったお芋を炊飯器に移します。
煮汁は柔らかさの調整をする時に使いますのでこのまま残しておきます。
お芋をざっくりと潰していきます。お芋のつぶつぶ感は私は少しあった方がいいなと思うので、完全なペースト状にはせずに、ざっくりと刻むような感じでお芋をつぶしていきます。麹をこの中に入れた時に、お芋のデンプンをエサにして麹が発酵していくんです。
ふっくらと柔らかく、ここで煮ておかないと、ぽそっとした芋あんになってしまいますので、本当にホックリと柔らかく茹でておいてください。
ゴロゴロッとしたようなつぶ状のお芋も入ってますけども、ざっくりと潰します。
今の状態だとお芋の甘さはあるんですけれども、芋あんというような感じで、しっかりとした甘さを、これから発酵によって作り出していきたいと思います。
煮汁を少し加えます。煮汁を加えしっとりさせます。
今からここに麹が入りますので、乾燥した麹が入ると水分をもっていかれますので、ここの段階ではちょっと柔らかいゆるいような状態にしておくようなポイントです。
結構、ゆるい感じです。ぼとっとした感じですね。でこの時に温度を確認していきます。
麹というのは60度でちょうどよく発酵が進みますので、熱くてもぬるくても上手く発酵できないですね。
ここは温度計を使ってしっかりと60度になるまで冷ましておきます。
もし、この段階で少し冷めてしまったという場合は調整をしておきます。
例えばこの一部を少しとって電子レンジで熱々にしたものを戻してあげるとかして、温度調整を60度になるまで戻してあげてください。
麹もバラバラになっている麹とこのように固形になっいてる麹、色々ありますけれども、どちらでも大丈夫です。
全体を混ぜていきます。
この時、乾燥した麹にかなり水分をもっていかれますので、お芋の茹でたお水を入れたり、それでも足りなかったら少し60度ぐらいの温度のお湯を足してあげて水分を調節していきます。
先ほどの茹でたお芋を入れたお水です。
もう1回温め直して60度にして入れたいと思います。
それでは、全体をならして、ここから発酵をスタートしていきます。
その時に炊飯器の保温機能ですね。活用していきます。
そして固く絞ったふきんです。2重にして覆います。
蓋は閉めずに、この状態で発酵させていきます。それでは保温です。
だいたいこの状態で55度、庫内55度をキープした状態で、7時間8時間ぐらいしていくと、だんだん甘さが出てきて、しっかり発酵されていきます。
2時間くらいしたら、時々要素を見て混ぜてあげてください。


発酵芋あんの栄養について

ここで少し発酵、そして発酵芋あんの栄養についてお話をしたいと思います
まず発酵なんですけど、今すごく注目されていると思うんですが、なぜ発酵食品がいいのか、今回のコウジ菌発酵でお話すると、麹菌というのはデンプンをエサにして発酵が進みます。
でその分解していくという過程が発酵なんですけれども、その分解していく間の過程でアミノ酸とかビタミンを作り出すことができるのですね。ですのでさつま芋そのもので食べるよりも、さらにいろいろな栄養が加わるというのが最大の魅力です。
そして麹菌によってサツマイモのでんぷんが分解されて、ブドウ糖に変わっているので非常に消化吸収が速やかで即効性のエネルギーなりやすいということで疲労回復にも役立ちます。
サツマイモにはそもそも食物繊維が非常に多いので、腸内細菌、善玉菌のエサになる食物繊維+麹菌によって善玉菌がどんどん活性化されて元気になってきます。非常にお腹の調子も便秘改善などにも役立つと思います。
また腸内には免疫細胞がたくさん集まっていますので、免疫力が高まるというとても嬉しい効果がいろいろ出てきます。
この発酵あんこシリーズこれからも色々な食材でやっていきたいと思いますので今後も楽しみにしていてください。
先ほどの芋あんが2時間経ちました。
一度全体を混ぜていきます。
ちょっと麹が、ふっくらした感じです。3時間くらいしたら要素を見て、かき混ぜるという感じです。
これで合計8時間ぐらい発酵させれば完成です。あとはもう麹菌にお任せです。
麹がすっかり柔らかくなり、ふんわりクリーム状になれば発酵完了の目安です。
お砂糖なしで自然な甘さと麹の風味。体に優しい最高の発酵芋あんです。
そのままで頂いたり、パンに塗ったり、お好みのアレンジをお楽しみください。

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