料理研究家-関口絢子の体にいいレシピ

炭水化物の正しい摂り方!(全粒穀物のススメ)

料理研究家-関口絢子の体にいいレシピ

今回は健康をつくるのに必要不可欠な炭水化物の正しい選び方、そして食べ方についてお話をしたいと思います。
炭水化物は太るとか糖質制限がダイエットに良いとかネガティブなイメージがあるのも事実です。
すべては炭水化物の質に問題があるからなんですね。
そこで生活習慣病を予防するための炭水化物の選び方や正しい食べ方について、最新の研究データと併せてお話ししたいと思います。
玄米生活や雑穀に興味がある方必見です!

最近、世界中で全粒穀物の健康向上に関するエビデンスが、次々と明らかになってきています。
そこで、にわかに注目が高まっているのですね。
玄米や大麦、オーツ麦、ライ麦などの全粒粉のパン、全粒シリアルなど未精製の穀物には、年齢に伴ってリスクが高まる糖尿病や心疾患、高血圧、がんなどの生活習慣病の予防に役立つ力があることが最新研究のデータで明らかになっています。
以前から食物繊維が多くて身体に良いとは言われてきましたが、健康効果が強力に働くということが科学的根拠としてあきらかになってきました。 全粒穀物の何が効果を示すのか、どのぐらいの量を食べればいいのかについてお話ししていきます。


全粒穀物をお勧めする3つの理由があります。
一つ目、生活習慣病の予防に役立つ。
二つ目、内臓脂肪を減らしたり、ダイエットそして体重のコントロールに役立つ、健康管理がしやすい。
つ目、ストレスに負けない体作りに役立つ栄養が摂れる。
この3つを聞くだけでも、とっても魅力的な食べ物だなと思うのですが、今回は掘り下げて解説をしたいと思います。


2019年の厚労省による報告書があるのですが、この研究によると2型糖尿病のリスクを減らす食品としてエビデンスレベルが高いとされたのは、あらゆる食品中で全粒穀物のみだったそうです。
ちょっとビックリです。成分的に見ても穀物から摂取する食物繊維のみが、高いエビデンスをとれており、同じ食物繊維でも野菜や果物では、優位な相関はないとのこと、全粒穀物が病気のリスクを減らす理由なんですけれども、まずは豊富な食物繊維によるものがあるそうです。
不溶性と水溶性、両方あるのですが、穀物に含まれる食物繊維にその効果が特別にあるそうなのです。      外皮に含まれるポリフェノールなどの抗酸化物質ビタミンB群や亜鉛やマグネシウムなどのミネラルがまんべんなく摂れるというところで、すべての相互関係によって、効果が出るのではないかと考えられています。
全粒穀物と精製穀物の違いですが、全粒穀物には、外皮、胚芽が含まれています。
外皮は、小麦の場合は、ふすま、玄米はぬか、不溶性の食物繊維や抗酸化物質、ビタミンを豊富に含んでいる場所になります。
そして胚芽は、成長して発芽する元となる場所でビタミンやミネラル、抗酸化物質、タンパク質、脂質などを含んでいます。発芽させるとより栄養が増えるとされる部分です。
胚乳ですね。生成している穀物というのはこの胚乳のみということになるんです。
けれどもここは糖質とタンパク質を含んでいる場所になります。
未精製の穀類は糖質やタンパク質を分解するための栄養素が含まれ、さらに毒素を吸着したり、不要なものを排出させるための栄養素が含まれるのに対し、精製した穀物は全て大切な栄養素を削ぎ落とされてしまい、糖質ばかりを食べるということになるわけですね。
悪い炭水化物というのは精製してしまった穀物のことで、ご飯とかうどんやパンなどとにかく白いものですね。
これはお砂糖なんかにも言えると思います。                                今や高血圧、糖尿病などの生活習慣病のリスクが高くなるということですね。
もちろん栄養バランスのいい副菜を色々摂っていれば、しっかり補えるんですけれども、未精製の穀物にはそれだけではないもう一つ大きな理由があります。
食物繊維は水溶性、不溶性に分けられて、不溶性は水を吸って膨らみ、お通じのかさや腸の動きを促す働きで便秘解消に役立つのです。
最近の研究では一部の穀物に含まれる不溶性の食物繊維でも、水溶性と同じく腸内細菌の発酵が起こることがわかってきました。これは、その素晴らしい効果の一つでもあるのですが、一方、水溶性は水に溶けてネバネバと粘性を持ちます。
特に全粒穀物にはベーターグルカンという水溶性の食物繊維が豊富で野菜や果物の食物繊維と違って、別格の働きがあるそうです。一緒に摂った食品と混じり合って胃や小腸をゆっくり通過するために、糖や脂質の吸収スピードを緩めて血糖値の急上昇を抑えたり、血中コレステロールを下げたりすることは分かっています。
腸内細菌によって発酵が起こり、短鎖脂肪酸という今注目の成分ですが、作られることで幅広い健康効果があると言われます。全粒穀物がいいと言われる理由は、他の食品に比べて、ここ重要です。腸内細菌によって発酵が起こりやすい発酵性の食物繊維の割合が高いことが関係しているようなのです。
この発酵性の食物繊維、これポイントです。食物繊維なら何でも良いということではなく、腸内細菌が好んでそれをエサにして、発酵していくっていう、そこで発酵して生まれる短鎖脂肪酸がいろいろな健康効果に役立つ、そう考えるとわかりやすいかもしれません。
あとここで全粒穀物の疑問についてお話をしておきたいと思います。
全粒穀物というと現在でもよく言われるのですが、フィチン酸とかアブシジン酸とか残留農薬の問題です。 このあたりちょっと補足しておきます。フィチン酸は、腸内の毒素や有害物質を吸着して排出する働きがあります。 これは良い働きですね。
一方、ミネラルも吸収を阻害するということで、懸念されています。 穀物自体に多くのミネラルがそもそも含まれています。また副菜を摂っていれば、不足する心配はないと考えるのは妥当ではないかと言われています。       穀物だけしか食べないということは、考えられないですよね。
例えば玄米に、すりごまをかけるだけでも不足分は十分に補えるわけです。
アブシジン酸は植物や菌類、動物に至るまで、広く存在する物質なんですね。
2010年に米国環境保護庁が植物の成長を調節する作用のある農薬として用いられるアブシジン酸の安全性に関して、幼児や子どもを含めた消費者に被害が生じる可能性はないという結論にいたったと公表しています。       また炊飯時、加熱調理によって焼失されるとも言われます。
特に玄米なんかで言われること多いのですが、玄米以外にもあらゆる植物性のものに何かしらは、あります。   幅広く含まれている物質なんですね。
リスク物質について知るといいいうことは大切ですけれども、それを食べると健康に害があるとか、神経質になる必要はないのではないかと私は考えています。


残留農薬に関しては、できるだけ安全な食品を見極めて選ぶっていう事は、言うでもなく大切なんですけれども、大量に暴露、継続的に摂り続けていなければ、多少体内に入ってきたとしても、肝臓で無毒化されて排出することができるんです。
また全粒穀物自体にデトックスに役立つ栄養素がたくさん含まれています。
どんな食品を100%安全とは言えません。それよりも余りある健康効果のある食べ物を摂ることで、悪いことも相殺されると考えるのは得策ではないかと思います。


これが、私が毎日食べているご飯なのです。
玄米をベースにしていて、圧力鍋でその他の全粒穀物を混ぜて炊いているんです。
その時によって、内容が変わるんですけれども、基本は玄米を使っています。
やっぱり圧力鍋で炊かないと、どうしてもボソボソしてしまうと消化吸収も悪くなって、どうもお腹の調子が悪くなるとか、もったいないので、ぜひ、圧力鍋でもっちもちになるように炊いていただけると、非常に消化吸収も良くなります。
さらに雑穀としてはこの辺のものをよく使うのですが、まず黒米ですね。黒米とか赤米とか、こういう色の濃いお米、古代米はポリフェノールが多いです。
黒米の場合はアントシアニンという抗酸化物質を含んでいます。赤米はタンニンが多いそうなんです。      そういったようなものとか、あとはキヌアとかもちきびなんでけれど、こういったちっちゃいつぶつぶ類というのは食物繊維というよりは、ミネラルとかビタミンを補給するものと考えた方がいいかもしれないです。       食物繊維の量で見ると、もち麦が一番多いですね。
次に大麦ですね。あとオートミールみたいな、オーツ麦と言われるものもベータグルカンが非常に多いです。
ですので、ご飯だけで食べなくてもそのまま茹でていただいてサラダにしたり、いろいろお料理にそのまま使うことができるので、ごはんとして炊く他は雑穀だけで炊いておいて、ストックしておくと色々なお料理に混ぜ込めるのでとっても簡単です。ハトムギ皮膚の代謝を良くしてくれるということで美肌効果とか、いぼ取りなんかに使われる漢方の成分ヨクイニンというものでもあったりするのです。
雑穀全量穀物、色々な種類があって特徴もそれぞれです。
いろいろ混ぜていただいてもいいし、単品でお気に入りのものを混ぜていただくということでも結構です。    3割くらい全粒穀物を入れていただくと非常に健康に良いご飯になるそうです。1日30g~90gの全粒穀物が病気予防の推奨量だそうです。最初は少しずつで良いと思いますが徐々に、増やして慣れていくというのもありだなぁと思います。       

今回は全粒穀物と炭水化物の正しい摂り方についてお話をしました。
炭水化物というのは糖質なことではないんですよね。本来、腸内環境を整えるための栄養素を取り入れるための重要な食べ物なんですよ。でその大切なものを全部捨ててしまって糖質だけのところを食べるから、いろいろな病気のリスクが高くなってしまったということなのです。
ぜひ炭水化物というのは腸内環境を整えるための食べ物なんだという認識に変えていただくと、どんなものを選んだらいいのか、そしてどういう食べ方をすればいいか、っていうことが理解が深まるのではないかなと思います。
そういう目で見ると結構、スーパーにも色々な雑穀が売っていたり、簡単に手に入れることができますよね。   ぜひ積極的に摂ってみてください。
今回は手軽な食品で病気のリスクを減らせる健康法として情報をシェアさせていただきました。

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