食に関する本のブログ

脳から「うつ」が消える食事(溝口徹)要約

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皆さんは、ご飯茶碗を持っていますか。日本人の食器棚には、おそらくかなり高確率で茶碗が収められているかもしれません。そう考えると、変な質問ですね。ただ、本書の筆者は、とある治療法と出会ってから、ご飯を食べなくなり、茶碗を捨ててしまったのです。同じ日本人としては驚きですよね。筆者は、オーソモレキュラー療法(栄養療法)のクリニックを開いて7年になり、これまで「うつ」をはじめとする心の不調に向き合ってきました。今回は、栄養不足と同時に、ご飯やパンを主食とする糖質(炭水化物)依存の食生活も、脳の機能に悪影響を及ぼすことについて詳しく述べていきます。心の不調が続いている方、家族や身近な方がうつで悩んでいる方など、メンタルの悩みを解消する助けとなれば光栄です。

本書の要点
1.「うつ」の脳には栄養が足りていない
2.「腸のトラブル」が「脳のトラブル」を招いている
3.その食べ方が「うつ」のきっかけを増幅させる
4.脳を元気にする食べ方とは?
5.脳から「うつ」が消える食事を知ろう

解説
1.「うつ」の脳には栄養が足りていない
まず、うつな人に共通する4つの食傾向をお話します。それは、①食べないタイプ(過度なダイエットによる栄養不足)、②糖質依存タイプ(米、パン、麺類、砂糖)、③ドカ食いタイプ(一度に大量食べる)、④単品食いタイプ(野菜だけ、果物だけなど)です。筆者の経験上、食べ物が心と身体をつくっていると言っても過言ではありません。


では、心の健康とはどういうことでしょうか。嬉しい、楽しい、怒り、不安といった感情は、多くの人が「心」から生じると答えるでしょう。しかし、実は「心」をつくっているのは「脳」なのです。感情は、脳内の神経細胞や神経伝達物質によってコントロールされています。ベストな状態は、調整系であるセロトニンが視点となり、そのうえに興奮系と抑制系が水平に乗っている状態です。ただ、これら神経伝達物質の原料も栄養ですから、栄養不足では、うつも進行してしまうのです。
あなたの脳に足りない栄養はないか、本書のチェックリストを活用して確認しましょう。

2.「腸のトラブル」が「脳のトラブル」を招いている
脳や身体の不調を訴える人は、食べ物の消化・吸収の過程でトラブルが起きていることが多く、その要因となるのが腸粘膜の機能低下です。それが転じると、食物アレルギーになり、身体がある成分を拒否する状態が出来上がります。こうした腸機能の低下は、多動症や自閉症といった発達障害、過敏性腸症候群が関わっていることも知られています。
では、粘膜の機能低下はなぜ起こるのでしょうか。1つは、腸の未成長です。粘膜が成熟する前の乳幼児期にいろいろなものを食べてしまうと、それがアレルゲンとなる場合があります。

2つ目は栄養不足3つ目は抗生物質をはじめとする薬剤の乱用です。解熱剤やステロイドを使い続けると、腸内細菌のバランスが崩れてしまいます。
また、こうした「腸のトラブル」には、①たんぱく質吸収不良タイプ、②脂質吸収不良タイプ、③リーキーガット症候群タイプの3つがあります。本書でチェックしてみてくださいね。

3.その食べ方が「うつ」のきっかけを増幅させる
ここでは、うつを加速させる食生活について列挙しておきます。
・チョコレートなどのお菓子をよく食べる
・ストレス解消のビール1杯で、かえってストレスに弱くなる
・コーヒー好きはカフェインアレルギーに注意しよう
・果物の食べ過ぎでも病気になる

4.脳を元気にする食べ方とは?
食べ方に気を付けるだけで、精神状態が安定して、心身ともに健康になれます。ポイントは、まず「糖質をコントロールする」ことです。糖質を制限し、なるべく食事の前後で血糖値の変動が小さくなるようにしましょう。次に「たんぱく質をしっかりとる」こと。たんぱく質は、人間の身体にとって必要不可欠な栄養です。そして、「脳にいい栄養をとる」こと。空腹を満たすだけの食事では、脳の機能低下は免れません。
さらに、食べる順番にも注意する必要があります。食物繊維には、糖質の吸収をゆるやかにさせる作用があります。たとえば、カレーライスを食べる前に、生サラダを先に食べると、カレーライスを先に食べるよりも、血糖値の上がり方が穏やかになったという研究報告があります。


通常の食事でも、野菜(食物繊維)→メインのおかず(たんぱく質)→ご飯(糖質)の順番にすると、肥満防止にも効果的です。最後に、脳にいい栄養についてもお話しします。
それは、ビタミンB群、カルシウム、マグネシウム、ビタミンC、ビタミンE、そしてたんぱく質です。これらを積極的に取り入れて、脳と身体にとって最高の状態をつくりましょう。
また、外食の際もメニュー決めのコツがあります。どんな料理であっても、たんぱく質をとることを意識してください。そして肉なら「すき焼き、焼肉」よりも「しゃぶしゃぶ、ステーキ」がおすすめです。下味やタレがシンプルで、添加物過多にならないメニューを選ぶようにしましょう。

5.脳から「うつ」が消える食事を知ろう
先ほどまでも述べましたが、「うつ」な人ほど食べることが重要です。ここでは、「何を、どう調理したらいいか」を簡単にお話します。
まず、朝15分でできるお手軽レシピとしては、①クラッカーにチーズやツナ、ハムを乗せる、②インスタントオムレツ(レンチンでつくる)、③茶碗蒸し(レンチンでつくる)、④湯湯豆腐、他には納豆や焼き魚もおすすめです。次に、フライパン一つでできるボリュームレシピとしては、①ミネストローネ、②豚肉の生姜焼き、③肉豆腐、④肉と野菜のスープなどがあります。最後に、低糖質・高たんぱくのお弁当レシピもご紹介します。

育ち盛りのお子さんだと、ご飯が多くなりがちですが、混ぜご飯(ふりかけなど)にして栄養をとるのもいいです。また、漬物やミニトマト、ブロッコリーなど野菜も入れて、それに肉や魚を追加しましょう。余談ですが、スイーツについても、市販のお菓子より自分で低糖質スイーツをつくる方が健康的です。詳細なレシピは、本書を参考にしてみてくださいね。

まとめ
今回は、「うつ」のような心の不調も栄養学から説明づけられることをご紹介してきました。本書には、うつにならないメニューの詳細もたくさん掲載されていますので、ぜひ一度読んでみてください。ご自身の身体の不調タイプを理解して、それに合わせた最適な栄養をとりいれた食生活を目指しましょう!

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