腸に関する本のブログ

脳の栄養素であり、生命の基礎物質 レシチン(上田公介氏)要約

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今回は「レシチン」の要約です。
著者は、医学博士の上田 公介(うえだ こうすけ)氏です。

レシチンという名前は、ギリシャ語で、卵黄を意味するレキトスからきています
リン脂質の一種である、ホスファチジルコリンの別名でした。
しかし、現在では、リン脂質を含む脂質製品のことを総称してレシチンと呼んでいます。人間を構成している細胞の主成分は、レシチンであり、このレシチンが健康維持のために重要な役割を果たしています。現代人の病気の予防や治療に大きな力を発揮してくれる物質なのです。

レシチンは、1844年にフランスのゴブリー博士が卵黄から窒素とリンを含む脂肪を取り出して発見されました。
レシチンという物質が体内でどのような働きをするのか、レシチンを摂るにはどうすればいいのかなど、詳しく説明していきます。

本要約の要点は4つです。
1.レシチンとは生命の基礎
2.レシチンと脳の関係
3.レシチンと皮膚再生
4.大豆のルーツとレシチンの効能

レシチンとは生命の基礎

人間の体を構成している細胞の数は約60兆個あるといわれていますが、その生体膜の主成分がレシチンです。細胞のひとつひとつにレシチンが含まれていますが、特に、脳神経系や血液、肝臓など、重要な組織の細胞にはたくさん含まれています
これらの細胞は、毎日一秒間に約50万個は死滅し、反対に約50万個が誕生しているという繰り返しによって生命は維持されています。
これらの細胞に含まれているレシチンは、特に細胞膜や細胞の核の中にあって、毎日新しい細胞をつくり、また細胞に必要な酸素や栄養分を吸収し、不必要な物質を排泄する体の掃除屋の役割をしているのです。この役割がうまく働かなければ、細胞はエンストをおこしてしまうのです。
また、レシチンを、構成している必須不飽和脂肪酸、イノシトール、コリン等は、動脈硬化や肝硬変の予防に役立ち、新陳代謝を促進する機能があるので、体の構成単位である細胞から老廃物を排泄させて、若さを保つ作用がわかっています
レシチンというのは、HDL(善玉コレステロール)の主要脂質であって、レシチンは、コレステロールの蓄積を細胞や動脈中で調整しているのです。
また乳化剤としての作用が大きく、生命の基礎物質なのです。

レシチンと脳の関係

レシチンの構成要素のひとつであるコリンは、体内に吸収されると脳まで届き、脳神経伝達物質の、アセチルコリンを作る材料になります。
アセチルコリンは、脳の中でいわばコンピューターの回路をつなぐ役割を果たし、さまざまな生化学的な情報のやりとりを強力にサポートします。

人間の脳内には、約30%もの、レシチンが存在して約140億個ともいわれる脳細胞の活動を支えていて、別名「脳の栄養素」とも「頭脳食品」ともいわれています。
人間の細胞は、20歳を過ぎる頃から急激に死滅し、年々減少する細胞の数が増えていき、脳細胞の死滅、減少も同じように進行してしまうのです。
脳の神経線維は、レシチンでできた、ミエリン鞘という絶縁質で覆われていますが、このミエリン鞘が傷つくと神経線維が大きなダメージを受け、脳血管性認知症やアルツハイマー病の原因ともなります。したがって、日頃からレシチンをしっかり摂って、脳細胞の死滅を最小限に食い止める必要があるのです。

レシチンと皮膚再生

アメリカのポッテンジャー博士は「レシチンが皮膚疾患に効果的である」と報告し、ドンスバック博士も、「レシチンは、人体の全細胞に存在し、必要不可欠のものですが、皮膚に於いても、皮膚細胞を再生していくうえで、レシチンが、適度に存在しなければスムースに行なわれません。もし、欠乏状態になると、肌荒れやシワがあらわれ、肌の老化が、急速に進んでしまいます。レシチンが充分に摂取されていれば、皮膚細胞は常に再生され、すべての肌トラブルや皮膚疾患の悩まされることがなくなります。そして、鵜筑紫井肌がいつまでも保てるのです。」と述べています。

また、レシチンの中には肝臓から脂肪を取り除く働きをするリポトロピック・ファクターと呼ばれる二つのビタミンがあります。このうち、イノシトールは、肌と毛髪を健康に保つ作用があり、コリンはプロテインと協力して、肝臓内の過剰な脂肪の蓄積を防止する働きがあるのです。

大豆のルーツとレシチンの効能

レシチンが多く含まれる代表的な大豆は、タンパク質を主に、脂肪、ビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれています

大豆は、中国北西部の原産で、平安時代の文献にもでてきます。
オオマメと言われ、江戸時代には毛マメといわれていました。
ドイツの学者は、この栄養満点の大豆を「畑の肉」とも「骨のない肉」と命名しました。
また、現在の大豆の世界一生産国は、アメリカですか、そのルーツは日本生まれなのです。
レシチンの効能としては、悪玉コレステロールを押し出し、コレステロール値を下げ、動脈硬化や脳卒中など生活習慣病を予防してくれます
また、神経伝達物質が、自律神経失調症、イライラや更年期障害、精力減退、神経消耗などの予防にも役立ちます。
さらには、脳細胞に活力を与え、認知症の予防や疲労回復、記憶力、集中力の増大、血液を固まりにくくすることで、血栓症を防ぎ、動脈硬化や老化防止、皮膚細胞を活性化させ、美しい肌を保つ作用、不要な脂肪の蓄積を取り除いてくれ、肥満の改善になどその他にもさまざまな効果が認められています。

まとめ

今回は、人間を構成する主成分であるレシチンについてでした。
たくさんの細胞のひとつひとつのレシチンが、コレステロール値を下げ、生活習慣病の予防、認知症の予防、皮膚細胞の再生など、重要な役割を果たしていることがわかりました。まさに、人の体にとっては、必要不可欠な存在なのです。
イライラなども、もしかしたらレシチン不足かもしれないのです。

レシチンを積極的に摂取するためには、大豆や卵黄などの食品を摂ることをおすすめします。大豆からできている食品は、お豆腐をはじめとし、お味噌や納豆、おから、油揚げなどたくさんありますので、ぜひ、毎日摂るようにしたいものです。
また、サプリメントの原料にもなっていますので、ぜひ、活用してみてください。
体の基礎となるレシチンですので、興味があればぜひ一度手にとって読んでみてください。

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