健康に関する本のブログ

花粉症は1週間で治る!(溝口徹氏)要約

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今回は「花粉症は1週間で治る!」

著者 溝口徹(みぞぐち とおる)氏の本の要約です。要約をさっと動画で見たい方は、こちら、約8分半です。

文章で読みたい方は、こちら。目次でお好きなところからお読みいただけます。

「花粉症は1週間で治る!」 著者 溝口徹氏

皆さんは、花粉症で悩まれているでしょうか。本書のタイトルを見て、そんなことないでしょうと半信半疑の方も多いかもしれません。一般的な花粉症の治療は、症状を抑える対症療法にとどまっています。根本的に治るわけではないので、薬を飲まないと毎年繰り返してしまうのです。

最近、スギ花粉に対しては、体にアレルギー反応を起こさないようにという治療法が注目されている一方、ヒノキやブタクサなどの治療法は未だ存在しません。本書では、芯に花粉症を克服できるような強い体をつくるべく、「オーソモレキュラー療法」についてご説明します。花粉症は、栄養療法で改善できることをお示ししたいと思います。

本書の要点
1.これまでの花粉症治療
2.花粉症に強い「オーソモレキュラー療法」とは?
3.花粉症が1週間で治る!?決め手はビタミンDだった
4.ビタミンDは花粉症だけでなく、脳の老化や認知にも効果的である

これまでの花粉症治療

現代では、花粉症の患者数が非常に多いです。それと並行して、アレルギーの研究がどんどん進み、アレルギー反応が出る前にその症状を抑えようとする「抗アレルギー剤」が次々と開発されてきました。

ここで、まずアレルギー反応のしくみをおさらいします。体内に入ったアレルギー原因物質が免疫細胞に作用すると、ヒスタミンが分泌され、これが受容体と結合するとアレルギー症状が発症します。先ほどご紹介した抗ヒスタミン剤というのは、最終段階のヒスタミンが受容体と結合するところをブロックする役割をもっています。一方、抗アレルギー剤は、アレルギーの原因物質の影響を受けた免疫細胞からヒスタミンなどの化学物質が分泌され、炎症が起こるのを防ぐ仕組みとなっています。
それでは、現時点で花粉症の最新治療といわれる2つの療法をみていきます。1つは、レーザーによる手術療法です。一時的には効果があるのですが、数年経つと、またアレルギーが発症します。その度にレーザー治療を受けていると、胃粘膜が萎縮して、最終的には胃がんに発展するなど、リスクが高いのです。2つ目は、舌下減感作療法というもので、アレルギーの原因物質を少しずつ体内に投与しながら、本格的な花粉の飛散に対する免疫力を上げるというものです。ただ、治療段階で強いアレルギー反応が起こることもあり、こちらも安全・安心とは言い切れません。

花粉症に強い「オーソモレキュラー療法」とは?

さて、花粉症で悩んでいる方に訴えたいのは、「あなたに合った栄養療法を見つけてください」ということ。オーソモレキュラー療法では、糖質制限やカロリーオフなど、巷のダイエットやデトックスのような考え方を推奨しません。簡単にいえば、「その人の体に足りない栄養素を見つけて、それを積極的に補充することで、体が必要な物質を正常につくれる状態にしてあげる」という考え方なのです。(オーソ=整える、モレキュラー=分子という意味です。)
オーソモレキュラー療法の基本は、私たちの体を構成する細胞をよりよい状態にして、理想的な健康状態をつくることだと分かりました。また、それらの細胞からつくられたタンパク質によって臓器や組織が成り立っていることからも、とくにタンパク質を補充することは非常に大切です。タンパク質を豊富に含む食材としては、肉、魚、大豆製品、乳製品などがあります。ここで注意したいのが、運動不足や胃腸の弱い人です。

タンパク質は、よく「体重1キログラムあたり1グラムが必要量」とされますが、運動不足だと体のタンパク質が消費されてしまいます。そのため、適度に運動している人よりも肉などをたくさん食べなければなりません。寝たきりの方が痩せ細っていくのは、単に筋肉を使わないからというわけでなく、タンパク質のロスが大きいことも原因なのです。ただ、牛肉100グラムに含まれるタンパク質の量は20グラムなど、肉の重さとそれに含まれるタンパク質の量は同じでないため、ご自身に必要な摂取量を改めて計算する必要があります。
ここまで、繰り返し「タンパク質をとりましょう」というお話をしてきました。ポイントは、毎日同じものを食べないこと。とくに乳製品は要注意でして、乳タンパクは免疫機構の要の一つである腸内環境を悪化させることがあります。腸内環境を整えるためには、善玉菌を増やしましょう。野菜やキノコ、海藻など食物繊維が多く含まれる食品を意識的にとるといいでしょう。

花粉症が1週間で治る!?決め手はビタミンDだった

ここでは、花粉症の特効薬のように効く「ビタミンD」についてご紹介します。これまでビタミンDは、骨のおもな構成成分であるカルシウムの働きを助け、不足すると骨の疾患を引き起こすことが知られていました。その後、さまざまな研究によって、脳や心臓、腸、血管、筋肉など体のあらゆる細胞に直接働きかけるホルモン様の働きがあることが分かり、生命機能の維持に必須の栄養素であることが証明されています。

では、どうやってビタミンDをとればいいのでしょうか。一つは、食べ物からとる方法、もう一つは日光による紫外線によって皮膚でつくる方法です。ビタミンD不足を起こさないためには、日光をしっかり浴びて、体内でビタミンDが合成される仕組みを回さなければなりません。残念ながら、タンパク質源である肉や魚にもビタミンDはあまり含まれていないため、食事だけでまかなうことは難しいのが事実です。
そこで大切なのが、サプリメントによる補給です。加えて、女性だったら鉄分もとって免疫力アップ、男性だったら亜鉛もとって生命維持の機能を上げるようにすると効果的です。

ビタミンDは花粉症だけでなく、脳の老化や認知にも効果的である

最後に、オーソモレキュラー療法の要であり、花粉症改善に必須のビタミンDについて補足しておきます。近年、とくに注目されているのは、脳機能への作用で、ビタミンDには神経細胞のように脳の神経を保護する働きがあることが明らかとなってきました。疾患でいうと、ADHDや双極性障害、統合失調症などとの関連も報告されています。ほかには、がん細胞を抑制する働きも期待されており、今後は抗がん剤としても有用な可能性が上がっています。

まとめ

今回は、通常のダイエットや肉体改善の方法とは異なる「オーソモレキュラー療法」をベースに、花粉症を改善する方法をご紹介してきました。体の大部分を構成するタンパク質はもちろん、食事からはとりづらいビタミンDをとることが重要であると分かったかと思います。花粉症の薬が合わなくて症状が悪化したり、栄養バランスには気をつけた食事をしていても症状が治りにくかったりと、花粉症で悩んでいる方は非常に多いでしょう。本書には、アレルギー反応の医学的なメカニズムや、オーソモレキュラー療法の最新知見などが記載されていますので、そちらもぜひ読んでみてくださいね。

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