食に関する本のブログ

「マクガバン・レポート」(末松 俊彦)

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今回は「マクガバン・レポート」の要約です。
著書は医学博士、末松 俊彦(スエマツ・トシヒコ)氏です。

アメリカで公表されたこのマクガバン・レポートは、アメリカの医学界や栄養学界の学者が今まで見落としがちであった食事内容の問題点を、公式の立場からはじめて明確に指摘した非常に重要な報告書です。当時のアメリカにおける食事が、内容の悪い不健康なものになってしまった結果、その悪さが原因で病気を多発させたのだと強調しています。『食源病』によるガンの発生や、食生活の不健康によるガンや心臓病、脳卒中などの病気の急増など、病気と食事の関係について結論づけています。本書では具体的にこのレポートが何なのか、だからこそ私達はいま何が必要なのかが書かれています。

本要約の要点は以下の5つです。

(1) マクガバン・レポートとは?
(2) 改善目標、7項目
(3) デザイナーフーズ計画
(4) 昔ながらの日本食が大切
(5) 代替医療の推奨

マクガバン・レポートとは?

マクガバン・レポートとは、心臓病による死亡率が第1位で、癌が第2位であったことから、1977年にアメリカ上院議員であるマクガバン氏が政府に提出したレポートです。
心臓病の治療費だけでもアメリカ経済が破綻するほどであったため医療改革が進められ、同年、国民栄養問題アメリカ上院特別委員会が設置されました。

この委員会では7年と数千万ドルもの国費が投入され、世界各国から3000人以上の医学者や栄養学者に協力を求めました。『食事と健康の関係』について世界的規模での調査と研究が行われ、500ページにも及ぶ報告書が作成され、ハンバーガーやステーキ、アイスクリームや炭酸飲料といったアメリカの典型的な食事を否定したのが特徴です。
更に癌や心臓病、脳卒中などの病気は肉食中心に偏った食生活が引き起こした『食源病』であり、これは薬では治らず、早急に食事の内容を改める必要があると政府に勧告したのでした。

改善目標、7項目

レポートでは、具体的な改善目標が示されています。
1、 未精製である野菜・果物・全粒といった穀物による炭水化物(糖質)の摂取量を増やすこと
2、 砂糖の摂取量を減らすこと
3、 脂肪の摂取量を減らすこと
4、 動物性脂肪を減らし、脂肪の少ない赤身肉や魚肉に替えること
5、 コレステロールの摂取量を減らすこと
6、 食塩の摂取量を減らすこと
7、 食べ過ぎをしないこと

食事内容を改善すれば、がんの発病も、がんによる死亡も20%減少し、心臓病は25%減少、糖尿病は50%も減少すると推計学的予測も示されていました。

デザイナーフーズ計画

アメリカがん研究所が推進する『デザイナーフーズ計画』が1990年代に立ち上がりました。長年実施されてきた疫学調査のデータを基に、ガン予防に効果的な食品及び食品成分の約40種類を研究し、重要度に応じて3層からなるピラミッド型の図が作られました。
この計画図では、ガン予防に効果の大きい野菜や果物などの食品が具体的に紹介され、こうした活動が全米規模で展開された結果、がんの死亡率が、アメリカ人では減り、日本人の方が逆に高くなっています。

昔ながらの日本食が大切

世界の三大長寿村といえば、中央アジアのコーカサス地方、南米エクアドルのビルカバンバ、パキスタンのフンザが有名ですが、日本にも長寿学の権威である東北大学教授であった近藤正二博士が長寿村と認めた集落があります。それは東京都と神奈川県に隣接する山梨県の『譲原(ゆずりはら)』という集落です。村民の食事は一口でいえば『麦類・イモ類・豆類の食文化』で、この村のお年寄りは80歳になっても腰も曲がらず、毎日畑仕事を元気にされています。

野菜や果物を多く摂ると、色素や香り・苦みのもとになるポリフェノールやイソフラボンなどをいうファイトケミカルが含まれており、このファイトケミカルの抗酸化力が、正常な細胞の遺伝子が活性酸素によって傷つくのを守ってくれるため、がんの予防になるのです。

免疫力は鍛えて強化する

アメリカでがんの死亡率が低下した主な原因として、代替医療の普及が挙げられています。通常療法である抗がん剤や放射線、手術以外の治療法として、食事療法や薬草療法、行動心理療法や薬物の生物学的治療法などを指しています。アメリカ議会技術評価局であるOTAとして、その委員会が発表した『がんの代替療法』と呼ばれる報告書が推奨され、広く世界中に知られるようになったのです。

最近のWHOの調査によれば、世界総人口の65-80%の人々が、西洋医学以外の代替医療を何らかの方法で摂り入れていると報告しており、ヨーロッパでも医学教育の中に代替医療教育が導入されています。また医師国家試験にも代替医療に関する問題が存在しています。またアメリカでは125の医科大学の内、82校(66%)で代替医療は、西洋医学を補完する医学として講座が設置されています。

まとめ

本書では、本来備わっている自然治癒力を高める方法で、健康を維持し、健康をとり戻すことが一層基本的かつ重要であることを強調しています。実際にファイブ・ア・デイ運動のように1日に5品目以上の野菜と果物を摂ろうといった取り組みや、第2のマグガバン・レポートといわれる中国全土を対象にした疫学調査についてのチャイナスタディというレポートについても詳しく書かれています。このレポートはアメリカ国民が癌治療そのものを根本的に見直すきっかけとなったと言われています。気になった方は是非一度、本書を手にとって読んでみてください。

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