健康に関する本のブログ

急増する現代病・うつ病は栄養障害(山口芳香)

今回は「うつ病は栄養障害」の要約です。
著者は自然医科学研究所所長・理学博士の山口 芳香(やまぐち よしこ)氏です。

この10年間で、うつ病の罹患(りかん)患者が、約2.4倍に急増し、日本人の7人に1人、アメリカでは全成人の11.5%の人がうつに苦しんでいるというデータがあります。
遺伝要因や性格、不況など複雑な社会環境の影響もあり今後ますます増加すると予測されています。現代人の悩みとも言われる「うつ病」とは何か、何が原因でおこるのか、うつ病の発症と食事の関係、うつ病の改善方法、特に、食事がその予防や治療に非常に大きな役割を持ち、栄養素が心身の正常な働きに不可欠であると著者は述べています。

どのような食事をすれば、うつが予防できるか参考にしてください。

本要約の要点は、6つです。

  1. 「うつ病」とは?
  2. 心と体、脳の働きに重要な六大栄養素
  3. ビタミンCは心身両面の抵抗力を高めてくれる
  4. うつ病には、血流の改善が重要
  5. 五大栄養素が欠損するとうつ病を起こす
  6. 脳にとって良いもの、悪いもの

「うつ病」とは?

うつ病とは、脳のエネルギーが欠乏した状態であり、それによって憂うつな気分やさまざまな意欲(食欲、睡眠欲、性欲など)の低下といった心理的症状が続くだけでなく、さまざまな身体的な自覚症状を伴うことも珍しくありません。つまり、エネルギーの欠乏により、脳というシステム全体のトラブルが生じてしまっている状態と考えることもでき、気分の極端な落ち込みとあらゆる活動における興味や喜びの著しい減退を主徴(しゅちょう)とする気分障害の1つです。睡眠障害や意欲の低下、自分を責めたり死や自殺についたり考えたりと、非常に重い症状が出ることもあります。

最近、うつ病の改善に、オーソモレキュラー療法(栄養療法)という治療法が広く知れわたるようになりました。これは食事を見直し、栄養補助食品などを用いて、うつ病を改善させるというもので、1960年代からアメリカやカナダで行われてきた治療法です。

心と体、脳の働きに重要な六大栄養素

六大栄養素とは、炭水化物(糖質)、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維の6つです。炭水化物に含まれる糖質は、生命維持活動のエネルギー源にもなっており、摂取するエネルギーの約60%を占めています。特に、大脳は糖質に依存し、主にブドウ糖をエネルギーにして働いているのです。代表的なものでは、ご飯・パン・麺類などがあります。

脂質は、エネルギー源としての働き以外に、60兆個ともいわれる細胞の構成成分でもあり、バターやマーガリンなどの動物性脂肪・植物性脂肪があります。
タンパク質は、脳をはじめとする臓器や生体組織の原料になっています。肉・魚・大豆食品などがそれにあたります。
ビタミン・ミネラルは、神経伝達物質の合成をサポートする働きを持っており、ビタミンの代表的なものには、鶏レバーや豚肉・玄米、ミネラルを含む代表的なものとして、ひじき・のりなどがあります。食物繊維は6番目の栄養素として重視され、排泄に効果を発揮し、うつ病の人に多い便秘症にも有効です。にんじんやオクラに含まれます。このように心身の正常な働きに六大栄養素は不可欠で、バランスのとれた食事が必要なのです。

ビタミンCは心身両面の抵抗力を高めてくれる

ノーベル化学賞、ノーベル平和賞の受賞者であるアメリカの偉大な科学者として知られる ライナス・ポーリング博士は、ビタミンCが風邪やガンを予防すると発表したことから、世界中でビタミンCが一大ブームとなりました。また、ビタミンCは、抗ストレスホルモンといわれる副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン(アドレナリン)の生成に関わっていて、少々のストレスには、負けない心身両面の抵抗力を高めてくれるのです。
現代のストレス社会において、ビタミンCの摂取は、うつ病の予防や改善に大いに役立つものと思われます。

うつ病には、血流の改善が重要

毛細血管は、約60兆個もあるといわれている人間の細胞全てに、酸素や栄養を送り届ける役目をしています。また、老廃物や二酸化炭素を回収するという大切な役目も果たしています。脂質異常症などになってしまうと末端組織が酸素不足と栄養失調になり、免疫力や抵抗力が低下してしまい、やがて高血圧や動脈硬化、ガンの発生等へとつながっていきます。また、脳には、微小血管がはりめぐらされおり、正常な血液が脳に行きわたらないという現象は、脳梗塞の危険因子となるだけではなく、うつ病の原因にもなってしまいます。ですから、うつ病にならないためには、つねに血液をサラサラにしなくてはならず、血液の循環をよくすることがきわめて大切なことなのです。

五大栄養素が欠損するとうつ病を起こす

緊張した毎日の生活でホルモンのバランスが崩れ、自律神経にも失調をきたすようになっている現代人が多く見受けられ、全身の免疫力が低下することによって、胃潰瘍(いかいよう)、血糖値の上昇、高血圧、不眠、慢性的な疲労感などの症状を来すことも少なくありません。それらを改善するには、ストレスの原因から遠ざかる以外に、ストレスに強くなる栄養素を日常的に摂ることも必要なことです。
ストレスなどから始まる、うつ症状の場合、次のような栄養欠損が考えられ、日頃から五大栄養素が欠損しないように注意が必要です。
(1) タンパク質の欠乏
(2) ビタミンB群の欠乏
(3) 亜鉛の欠乏
(4) 鉄分の欠乏
(5) 糖質の欠乏(低血糖)

脳にとって良いもの、悪いもの

脳を正常に働かせるためには、安定した血糖値を保つことが重要ですが、白砂糖はその安定をかき乱しているともいえます。白砂糖がビタミンB群を奪うということに加え、精製されすぎているという理由です。
また、スナック菓子に多く含まれている、食品添加物のリン酸も、ミネラル類の吸収を阻害する働きがありますので、脳のみならず、心身の健康によくありません。

他に、脳に良い油と悪い油があります。悪い油の例にあげられているのがトランス脂肪酸です。トランス脂肪酸は、人工的につくられた脂肪であり、細胞が必須脂肪酸を活用するのを妨げます。当然、脳への影響もあり、イライラや不安感、精神状態を悪くする脂肪として意識しておくべきです。それに対し、良い油というのは、α-リノレン酸(中でもオメガ-3)を多く含む油です。オメガ-3は、体内で、DHAやEPAに変化し、血液をサラサラにしたり、脳卒中や心臓病の原因となる血栓を防いでくれますので、当然、うつ病や脳の健康にも良い影響を与えてくれます。

まとめ

この本の要約では、うつ病とは何か、うつ病の原因、うつ病と食事の関係、心と体に重要な栄養素や改善方法などをお伝えしています。社会環境によるストレス以外に、食事の乱れなどが原因となることもおわかりいただけたでしょうか?また、食事を見直す以外の改善方法もあります。考え方の癖を見直し、症状につながる行動の仕方を変える治療法「認知行動療法」、「運動療法」「音楽療法」「芳香療法」「漢方療法」といった代替療法も行われています。現代人の悩みともいわれるうつ病について、気になる方は、本書を手にとって読んでみてください。

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