食に関する本のブログ

100歳まで元気な人は何を食べているか? (辨野義己氏)要約

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今回は、「100歳まで元気な人は何を食べているか?」

著者 辨野 義巳(べんの よしみ)氏の本の要約です。さっと動画で見たい方はこちら、約8分です。

文章で読みたい方は、こちら。目次でお好きなところからお読みいただけます。

「100歳まで元気な人は何を食べているか?」著者 辨野義己氏

健康寿命は、大腸内の「長寿菌」の量で決まる。これが筆者が40年以上健康長寿と腸内細菌の関係を研究してきた結論です。鹿児島県奄美大島、群馬県南牧村、大分県姫島、島根県知夫里島、山梨県棡原、沖縄県南大東島、鹿児島県徳之島。こうした日本屈指の健康長寿地域を訪れ調査した結果、長寿の人たちの腸内細菌を調べると「長寿菌」が多数存在することがわかったのです。大腸は全身の健康の源と言えるほど重要な臓器。なかでもとりわけ健康長寿に大きな影響を及ぼす重要な菌こそが、本書でご紹介する「長寿菌」です。この「長寿菌」をいかに増やすか。それが100歳まで生きる本当の秘訣に他なりません。

では具体的にどうすればいいのか。本要約では、健康長寿の源となる「長寿菌」を増やす長寿食の知恵を3つの要点に分けてご紹介します。

本書の要点は以下の3点です。

1、長寿県と短命県では食べ方が違う

2、長寿県で食べられているものとは

3、長寿菌とは何なのか

長寿県と短命県では食べ方が違う

短命県では、30代や40代で既に50代や60代に見られるような腸内環境になっている人が非常に多く見られました。つまり腸内環境の老化が、日本人の平均より10年も早く始まっているということです。いったい何が腸の老化を早めてしまっているのか。代表的な長寿県と比べてみると、いくつかの違いが見えてきました。

最も明白な違いは、野菜の摂取量です。厚生労働省が推奨している野菜の摂取量は、1日あたり350グラム以上、小皿にして5皿分以上です。なかなかそんな量を毎日取ることができないというのが現代人の実情です。しかしそれが長寿県では、平均して379グラムと推奨量を上回る量の野菜を取っているのです。つまり、長寿県と短命県との違いはまず食生活。なかでも野菜の摂取量なのです。野菜に豊富な食物繊維が大腸をきれいにする。大腸は健康の源であり、唯一食習慣によって自分でコントロールできる臓器です。野菜を取るほど腸内環境が整えられ、大腸の病気や大腸から始まる様々な病気を防ぐことに繋がると言えるのです。また、食物繊維というと野菜のイメージが強いですが必ずしもそうとは限りません。実際に長寿県では、食物繊維を主食で多く取っていた家庭が多かったのです。その主食については次章でご紹介します。

長寿県で食べられているものとは

山梨県棡原では、食卓は色とりどりの野菜料理が多く、主食としては雑穀以外にうどんもよく食べているようでした。また、太めのうどんを根菜類やきのこ類とともに煮込んだほうとうなど、主食の中にも食物繊維が多く入っているのです。

奄美大島では、豆腐と海藻のみそ汁、たっぷり野菜のサラダ、玉ねぎやセロリ、ゴーヤのりんご酢漬け、さつまいも、あずき入りのお粥、もずくなど、やはり食物繊維だらけの食事です。なかでも特徴的なのは、南国らしい青いパパイヤのみそ漬けです。

奄美大島の人たちにとってパパイヤは、果物というより野菜のようです。また、食後には必ずチーズを食べるという人もよくいるようです。たっぷりの食物繊維と発酵食品。この食生活が奄美大島を支えていると考えられます。

群馬県南牧村では、キュウリの浅漬け、ネギとチンゲン菜のみそ汁、山で取れたフキやワラビの煮物、魚の煮付けやゆで豚もありますが、やはりメインは野菜と言っていいほど食物繊維豊かな食卓です。また、寝たきりにならない村と呼ばれる南牧村ですが、毎朝1時間坂だらけの道をウォーキングしているということもわかっています。こういった食生活と運動の組み合わせにも、健康長寿の秘訣があると考えられます

大分県姫島では、肉の消費量が全国平均日本一。あまり好ましい結果ではないと思ってしまいますが、県民の健康状態はどうかというと、2010年の調査では平均寿命は男女ともに全国平均をやや上回るくらいです。

そんな姫島の食事には、さつまいもを原料とする食品がたくさんあったのです。かんころ餅やいもきりなど、主食が芋と言っていいほどさつまいもを食べる習慣がありました。やはり多くの長寿県で、食物繊維が多く取られているということがおわかり頂けたと思います。

長寿菌とは何なのか

健康長寿の人たちを対象に大便のサンプルを検出しました。その結果、大便菌とラクノスピラという腸内細菌が検出されました。これらは酪酸という物質を作る酪酸産生菌の一種です。酪酸は、ガン細胞の抑制、免疫向上、消化、吸収の促進など、様々な健康効果があることが知られています。この酪酸産生菌は、食物繊維をたくさん取ることで増え、結果長寿に繋がっていると関連づけられます。そこで、酪酸産生菌である大便菌とラクノスピラに、ビフィズス菌を加えた三種のグループを長寿菌と名付けることにしたのです。風邪を引きやすいなどの体の衰えは、腸内の長寿菌が弱っているからと言っても過言ではありません。そして長寿菌を作るものが、まさしく食物繊維というわけです。

長寿菌に繋がるおすすめの食材として、ひじき、昆布、切り干し大根、いんげん豆、大豆、ごぼう、オクラ、芽キャベツ、かぶ、大根、きのこ類、芋類です。これらには食物繊維が多く含まれ、さらに低脂肪のスーパーフードとされています。また、長寿菌が多い人ほど長生きで太りにくいということがわかっています。腸年齢と体年齢はイコールで結ばれていると言っても過言ではありません。

まとめ

今回は、健康長寿の人の食生活にはどんな共通点があったのか、長寿菌に繋がる食材はどんなものなのか、またその長寿菌とは何なのかについて詳しく解説しました。長寿菌や、その影響を受ける腸内環境がいかに健康長寿に関わっているかがおわかり頂けたかと思います。腸は第二の脳と言われています。つまり腸の不調は体の不調や免疫力低下だけでなく、集中力ややる気、精神の弱りなどにも関わってくると主張されています。本書でも、いかに若返るかではなく、いかに上手に老化するかであると書かれています。そのために最も重要なのはやはり食物繊維であるというわけです。まずは1つでも、できる食習慣から取り入れてみてください。

本書では、要約で扱えなかった「肌が若返る発酵食品の食べ方」や「健康寿命を伸ばす食べ合わせ」なども詳しく解説されています。少しでも興味を持った人は、是非一度本書を手に取って読んでみてください。

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