健康に関する本のブログ

若さの源・ミトコンドリア 監修 (井上信孝氏) 要約

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今回は「若さの源・ミトコンドリア」

発行 ヘルス研究所、監修は神戸大学医学部臨床教授であり神戸労災病院副院長である井上信孝(いのうえ のぶたか)氏の本の要約です。要約をさっと動画で見たい方は、約6分です。

文章で読みたい方は、こちら。目次でお好きなところからお読みいただけます。

シニアになってから長期入院すると筋肉を弱め、歩けなくなってしまいます。

それは、筋肉細胞にいるミトコンドリアという小器官が衰えているからです。

ミトコンドリアは、体の機能を動かすエネルギーをつくる器官で「生命のエネルギー工場」ともいわれ、「製品が使われなくなったら、生産能力を減らす」という製造工場のセオリーに従っています。

この減少がカラダのあちこちで起こるのが老化で、頭脳を使わなくなったら「認知症」、足腰なら歩行困難から「ロコモ(運動器症候群)、フレイル(虚弱)」、基礎代謝が少なくなれば「疲れやすい・体力減少」などとなります。

本要約では、ミトコンドリアの減少により起こる老化の進行を抑えるには、どのようなことが大切なのか、アンチエイジングの本質を解説していきます。

ミトコンドリアとはどんなもの?

ミトコンドリアは、細胞内にある1~数ミクロンの小さい小器官で、生命のエネルギー工場といわれています。約37兆個の体の細胞1つ1つに数百~数千個、平均300個程のミトコンドリアが存在しています。

ミトコンドリアは生命のエネルギー源であるATP(アデノシン3リン酸)を生成します。血液が運んできた栄養素のブドウ糖を主原料にして、クエン酸回路、電子伝達系というプロセスを経て24時間365日休まずにつくり続けています。

人間の代謝にはたくさんのエネルギーが必要で、そのほとんどをつくるのがミトコンドリアなのです。

ミトコンドリアの減少が老化につながる

エイジング(老化)は体の細胞の衰えを意味します。肌のシミやシワなど目に見えるところから、目に見えない体の中のあらゆる細胞の衰えまであります。

その原因はミトコンドリアをつくる代謝力の減少、すなわち、残っている古いミトコンドリアが多くなって老化が進むというわけです。

その結果、エネルギー生産の低下を招き、筋肉量や身体能力が低下し、サルコペニア(筋肉減少)やフレイル(運動機能や認知機能等の低下)につながるのです。

また、歳をとって行動や記憶や計算などで、頭を使うことが少なくなると、認知症になるリスクが高まるといわれています。刺激が少なくなると、脳への血流量も減り、エネルギーはあまり要らなくなるので、ミトコンドリアも暇になり働かなくなります。

認知症をふせぐには、歩いたり、頭を使ったり、文字を書いたりと脳を刺激するようにするとミトコンドリアも目を覚まします。

また、身体機能の低下だけでなく、ミトコンドリアの活性酸素の害を分解する酵素も減少してしまうため、活性酸素の害も受けやすくなります。

酸素はATPを作る時に必要なのですが、その生産過程で問題物質である活性酸素が発生します。活性酸素が発生すると、強力な酸化力で細胞を酸化させ、様々な病気の発症に関わっていきます。元気な質の良いミトコンドリアは効率よく、エネルギーをつくりながら活性酸素の害を防ぐことが出来るのですが、老化により細胞のつくりかえる新陳代謝が弱ってくるとミトコンドリアも古くなり質の悪いミトコンドリアになって活性酸素の害を無害化しきれないのです。

病気を防ぐミトコンドリア

特に男性は年齢を重ねるほどがんになりやすいことが明らかになっています。

健康体であっても毎日5000個の細胞が主に活性酸素の攻撃で遺伝子の損傷を受けますがミトコンドリアは傷ついた細胞や古い細胞を排除するアポトーシスという自滅システムでどんどん壊して排除しているのです。

また、ミトコンドリアは、糖尿病の発症、合併症にも大きく関係しています。

血糖値が上がるとインスリンの分泌を膵臓のミトコンドリアに要求しますが、インスリン製造の要求が過剰になるとミトコンドリアが壊れてしまいます。また、ブドウ糖が血液中に残り細胞に取り込まれず糖尿病を発症するのです。

さらには、免疫力が低下し、ウイルスなどの攻撃を受ける糖尿病や肝機能、腎機能の低下、ガンの発症、認知症や感染症の発症など様々な病気とミトコンドリアの衰えと老化はとても深い関係にあるのです。ゆえに、ミトコンドリアの質と量で寿命が決まるとまでいわれているのです。

ミトコンドリアを増やして質を上げる

ここまでで、ミトコンドリアが私たちの体でいかに重要であるか、説明してきました。

最後に、ミトコンドリアを増やして、質を上げる生活習慣について6つ説明します。

①ミトコンドリアの約8割が筋肉に集中しています。

早足で歩いたり、階段を上ったりと筋肉にちょっときつめの負荷をかける習慣をしましょう。そうすると、ミトコンドリアが増えてくれます。

②ミトコンドリアが元気な温度は37度、冷えた体内では働いてくれません。

しかし高すぎてもダメで42度になりと死んでしまいます。

免疫細胞のエネルギーもミトコンドリアがつくり、冷えは、免疫力も弱らせてしまうため、体を温めましょう。

③ミトコンドリアがエネルギーをつくるには酸素が必要で、新鮮な酸素をミトコンドリアに届けるために、思い切り深呼吸したり、背筋を伸ばしたりしましょう。

④ストレスを抱えてしまうとストレスホルモンの分泌で血行が悪くなり、低体温、低酸素状態になり、ミトコンドリアは弱ってしまいます。

続くと活性酸素が多く発生します。ストレスは笑うことで脳内に幸せ物質のセロトニンが分泌されるため、ストレスは笑いとばし、ミトコンドリアを増やしましょう。

⑤元気なミトコンドリアを増やすにはプチ断食が効果的です。

意識的に腹ぺこ状態を作るとミトコンドリアは待ちに待った栄養をどんどん吸収して増えるのです。しかし、腹ぺこだからといって大食い、早食いは禁物です。

⑥赤や黄色、紫や緑といった野菜は、ファイトケミカルという抗酸化物質をたくさん含んでいます。老化により活性酸素の発生を抑える抗酸化力が落ちてきます。

ファイトケミカルは、野菜や果物からいただく、自然のサプリメントですので、ビタミンなどの栄養素も豊富ですので、バランスよく食べましょう。

まとめ

ミトコンドリアというものは、体の細胞の中にあり、エネルギー工場とよばれ、日々、エネルギーを作り出しています。このミトコンドリアが減少してしまうことで、老化がすすんだり、病気を発症したりと、体に大きな影響を及ぼします。

いつまでも若々しく健康でいるためには、ミトコンドリアを増やして質を上げることなのです。

本書は、マンガでわかりやすく解説がされていますので、誰でも理解しやすく書かれています。興味があればぜひ一度手にとって読んでみてください。

 

 

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