食に関する本のブログ

発酵食品の大研究要約 (小泉 武夫)

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目にも見ることのできない微細な生きものである微生物には、人間にとってひどいことをする「悪玉菌」、すばらしいものをつくってくれたりする「善玉菌」とがいます。悪玉菌は悪いことをするので、昔から人間はこれをやっつけてしまおうとしてがんばってきましたが、善玉菌は良いことをするので人間はこれを大切に育ててきました。
善玉菌は、大豆にはたらいて納豆やみそ、しょうゆなどをつくり、米に作用して米酢をつくり、牛乳に作用してヨーグルトやチーズをつくり、果物や穀物に作用してビールやワイン、日本酒などをつくって人間を喜ばせてきました。
このように、さまざまな食品や酒などをつくる微生物のことを「発酵菌」といいますが、この菌たちは大昔から人間の周辺にいて、人の生活に役立ってきたのです。

本書の要点は、以下の4つです。
(1)発酵食品はどうやってできる?
(2)発酵食品(パン)はどのように生まれたのか?
(3)こんなにある日本と世界の発酵食品
(4)発酵食品を作ってみよう

(1)発酵食品はどうやってできる?
納豆が苦手な人の中には匂いが臭いという人がいます。また、納豆を初めて見た人の中には、腐っているという人がいます。
 でも納豆はれっきとした発酵食品。それでは、腐ると発酵はどう違うのでしょうか。

結論からいうと、煮豆の中の微生物が活動することによって、煮豆が発酵し、納豆になったり、腐ったりするのです。
 それでは、どのように「発酵」と「腐る」を区別しているかというと以下の2つになります。
腐ると発酵の違いの一つ目は、匂いになります。そして、煮豆は糸をひかないけれど、納豆は糸をひきます。もとの煮豆が変化(発酵)して、納豆ができたのです。
二つ目は、食べられるかどうかになります。
微生物が活動した結果、人間が食べられないものになった場合は、腐敗(腐る)と扱い、食べられる状態であれば、人間に役立つもの(発酵)という扱いになります。

(2)発酵食品(パン)はどのように生まれたのか?
発酵食品は偶然だったのかもしれませんが、長年に渡る知恵と工夫の積み重ねによって美味しく食べられるようになったのです。私たちに食べているふっくらとした美味しいパンの成り立ちについてご紹介します。

パンは小麦を美味しく食べる一つの方法です。炊いてもお米のように柔らかくならない小麦を太古の人々は、ひきつぶして「かゆ」として食べていたそうです。その後、小麦をひく技術が向上したことで、小麦と水を混ぜて焼く「パン」が誕生したそうです。
最初のパンは、生地を発酵させずにそのまま焼いた「無発酵パン」で今のクレープや煎餅のようなものだったと考えられております。今も中東から西アジアでは、無発酵パンから食べられている地域があるくらいです。インドの家庭で作られたチャパティ(全粒粉を水で練った平焼きパン)などです。
ある時、パンをこねた人が暖かい場所に生地を置いておいたら、発酵して膨らんでいたそうです。その際にふっくらしていて食べやすかったということから、その作り方が周りに広まっていったそうです。
しかしながら、毎回のようにふっくらと膨らむわけではありませんでしたのである工夫をしたそうです。そもそもパンが発酵して膨らむ理由は、空気中にある酵母菌にあるのです。酵母菌によって、外に放っておいたパンが自然と膨らみます。一方でそれがうまくいかない時には、ぶどう汁を使って発酵させていたそうです。ぶどう汁には同じく酵母菌がついているそうです。

(3)こんなにある日本と世界の発酵食品
まずは、日本各地の発酵食品を紹介します。
北海道の発酵食品である「めふん」の紹介です。
めふんとは、主に日本海沿岸で作られていたサケやマスの腎臓の塩辛で、現在では北海道のものが有名です。魚の背骨についている腎臓を塩漬けにし、陰干しした後に桶にいれて発酵させます。とろみのある食感と鉄が錆びたような独特な匂いの食べ物です。

次は、沖縄県の「とうふよう」という発酵食品のご紹介をします。
島豆腐という少し硬めの豆腐を紅麹や泡盛というお酒に漬け込み、熟成させた沖縄の伝統食だそうです。紅麹カビの赤色をしたつけ汁が特徴でウニのような風味とチーズのような食感があるそうです。ご飯と一緒に食べる他、ドレッシングや和物に使われるそうです。

そして、海外の発酵食品もみていきましょう。
カナダの発酵食品の「キビヤック」のご紹介です。
カナダ北部で作られている海鳥の発酵食品です。アザラシのお腹にアバリアスという海鳥を詰め、まるごと土の中に埋めて2〜3年ほど発酵させて作るそうです。
発酵したアバリアスの肉や体液をそのまま味わう他、体液は調味料としても使われます。
ビタミン類の補給となるため、大切な食品とされています。

最後に、お酒を飲まれる方ならおなじみの「テキーラ」です。
メキシコで古くから作られている蒸留酒です。リュウゼツランというアロエに似た植物の根からとれた汁を自然発酵させたり、様々な種類の酵母菌を使って発酵させ、蒸留して作ります。

(4)発酵食品を作ってみよう
発酵食品の代表でもある「納豆」の作り方をご紹介します。

①水洗いした大豆をボウルに入れ、たっぷりの水につけて半日ほどおきます。水の量は、大豆の3倍強が目安です。

②大豆がふやけたら、水をきって鍋にうつします。大豆が水面から出ないくらいの水を入れて、とろ火で3時間くらい煮ます。

③大豆の固さを確認します。指で簡単に潰れるくらい柔らかくなったら、火を止めてお湯をきります。

④大豆の温度が、50度くらいまで下がったら、適量を容器に詰めます。

⑤市販の納豆を数粒混ぜます。納豆菌が働くには、空気が必要なので、容器の蓋を少し開けておくのがポイントだそうです。

⑥保温装置に⑤を入れます。保温は、40〜45℃が目安だそうです。約1日発酵させたら、冷蔵庫で2〜3日発酵させましょう。

まとめ
この本を読み、もしこの地球に発酵食品がなかったら、私たちの食事はとても味気ないものになってしまったのだなと感じました。
例えば、お味噌汁も食べられませんし、ドレッシング、チーズ、納豆ももちろん食べられません。納豆のように、一歩間違えれば、腐食(腐る)になってしまうことを考えると、過去の人々が様々な試行錯誤を繰り返し、発酵技術を向上させてくれ、今の食事があることにも感謝しなければならないのだと思いました。
こちらの要約では、全ての発酵食品の作り方や、成り立ちまでご紹介できませんでしたのでご興味ある方は、是非、「発酵食品の大研究」を手にとって読んでみてください。

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