食に関する本のブログ

子どもの「パン食」は今日からおやめなさい!(幕内秀夫氏)要約

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今回は、「子どもの「パン食」は今日からおやめなさい!」

者 幕内秀夫氏の本の要約です。要約をさっと動画で見たい方はこちら、約8分半です。

文章で読みたい方は、こちら。目次でお好きなところからお読みいただけます。

「子どもの「パン食」は今日からおやめなさい!」 著者 幕内秀夫氏

好きなものを食べて幸せ!というのも分かりますが、それで本当に健康な身体を維持できるのでしょうか。本書は、子どもには子どもに合った食事があることを主張しています。なかでも、「パン食」による脳や生活習慣病について、栄養学とは異なる観点からまとめていきます。

本書の要点

1.子どもと大人の食事は違うので、気を付けなければ学力や肥満のリスクを高める

2.日本人女性は、パン食志向で乳癌などの婦人病になりやすい

3.日本に合う食事は、必ずしも栄養バランスでは語れない

4.給食ほどデタラメな食事はない。では本当の「食育」とは?

5.食事は「その人」を語るので、離乳食や薬の服用も正しく行う必要がある

6.いますぐ実践できる究極の七か条

子どもと大人の食事は違うので、気を付けなければ学力や肥満のリスクを高める

2005年に「食事基本法」が制定され、食生活の乱れや過度なダイエット志向、食の海外への依存などの社会問題に対して動きが出てきました。なかでも、子どもの食生活と小児肥満は、食パンやスパゲッティ、ステーキなどの欧米化食によって、幼い年齢から脂肪が蓄積するリスクにより生じています。また、スナック菓子やジュースに含まれる砂糖の過剰摂取により、低血糖症に陥った子どもがキレやすくなったり、学力が低下しやすかったりという報告もあります。これは、乳幼児の食生活が人生を決めると言っても過言ではありませんね。

日本人女性は、パン食志向で乳癌などの婦人病になりやすい

子どもの問題と同じくらい重要なのが、母親である女性の食生活です。主食の変化として、ごはんがパンになると、食パンに付随するバターやマーガリンなどに含まれる油や砂糖が大量に摂取されます。これは、糖尿病のみならず、乳癌などの婦人病にリスクを高めてしまいます

日本に合う食事は、必ずしも栄養バランスでは語れない

さて、日本人の食生活が大きく変化したきっかけは、戦後、給食にパン食が採用されたことでした。パンが主食になると、副菜はサラダや卵焼き、ハンバーグなどになります。ごはんが主食であれば、みそ汁や魚、野菜の煮物、てんぷら、サラダなど、より豊かな副菜を摂っていますよね。あとは、流行りの「栄養バランス」という志向が強くなっており、正しい食事バランスがとれていない方が多いのも問題です。例えば、牛乳はカルシウムの宝庫ですが、脂質が多いので取り過ぎには注意が必要です。果物にはビタミンが豊富ですが、果糖が多いため食べ過ぎは肥満につながります。よって、必要なのは「栄養素」のバランスを学ぶことなのです。

ここで、ごはん食とパン食のちがいを見ておきます。ごはん食では、調味料:塩、みそ、しょうゆ、野菜:煮物、あえ物、おひたし、魚料理:刺身、焼き魚、煮魚となり、全体的に塩分が多めです。一方、パン食では、調味料:油、ソース、マヨネーズ、ケチャップとなり、脂が多いのが特徴です。脂質が多いと、必然的にカロリーが増えてしまうので、肥満につながりやすいのです。

給食ほどデタラメな食事はない。では本当の「食育」とは?

学校給食は、厚生労働省の出している「食事摂取基準」に基づいて献立が決まりますが、この基準はかなりあいまいなのです。よって、科学的に正しい食育を行うためには、「栄養素に重きを置いた給食」を普及させる必要があります。特に、和食は素晴らしく栄養素のバランスが整っている、世界が認める健康食。給食でも、ごはんを主食に、余計な油も砂糖も必要ない副菜と、シンプルな味付けのおかずを提供したいものです。

そして、食事の「質」と同時に「量」の問題についても触れておきます。子どもがごはんを残すのは、「食わず嫌い」か「本当に食べられる量を超えているか」のいずれかです。子どもは、自分の運動量や体調によって食べる量が本能的にわかります。だから、親が「残さず食べなさい」というのはおかしな話なのです。子どもは「胃袋」で食べるが、大人は「目」で食べる、ということを覚えておいてください。ただ、大人は「心」でも食べるので、意識すれば食生活を変えることはできます

食事は「その人」を語るので、離乳食や薬の服用も正しく行う必要がある

人間は、本来、それぞれの時代に、その土地で、その季節にとれるものを食べてきました。筆者は、この歴史に則って、調理法や食べ方は、その土地のルールに合わせることを推奨しています。例えば、イヌイットが獲物の臓器まで食べているのは「もったいない」と思うからこそであって、「いい成分が入っているから」とは考えていなかったはずです。でも、健康のためといった発想ではなく、生きるためにやっていたことが、結果としては大切でした。よって、食生活の基本は、その土地で、その季節にとれるものを、昔から食べられてきた方法で食べる、ということに尽きるのです。

そういう点で、「戦後の栄養教育は不要だった」と筆者は述べています。それよりも、ヒトという動物が、本来は何を食べるのかということに立ち返ってみることが重要だと言います。例えば、ファーストフード店に行かないことも大事です。ただ、それが良いか悪いかという話ではありません。あくまで、食事は、そのくらい雄弁に「その人」と「その人が育ってきた環境」について物語るということを伝えておきます。

ここで、アトピー性皮膚炎について触れておきます。アトピー対策の考え方の一つに「除去食」というものがあります。小麦を食べると調子が悪くなるから、ひえのごはんを食べるとか、小麦がダメだから、米でつくったパンを食べる、などです。他には、無農薬、無添加の食品をとる方法もあります。マクロビオティックや玄米菜食、生菜食を取り入れることもありますし、しそ油やEPA、カスピ海ヨーグルトなど、そのときの流行を追いかけ回すパターンもあります。何よりも大切なのは、アトピーの原因をきちんと考えることです。アトピーは、体質に加えて誘因(引き金)が重なると生じます。成人の場合は、ダニやハウスダストが引き金になりますが、乳幼児の場合は、卵、牛乳、大豆、小麦粉など、特にたんぱく質の多い食品によるという共通点があります。これは、離乳食を早くしすぎると、母乳から得られる栄養で免疫力が充分に発達せず、子どものアレルギー症状が悪化することも要因です。さらに、アトピー性の子どもには、薬をやたらめったに使わないでください。若ければ若いほど、とりわけ子どもであれば、病気を治すのは薬のチカラではなくて「子どもが成長するチカラ」なのです。

いますぐ実践できる究極の七か条

最後に、子どもの食に関する具体的な提案を列挙しておきます。

①朝は「ごはん」をたべさせる

:パンのような「カタカナ食」ではなく、ごはんと和食を

②「カタカナ食」は週末だけ

 :パン、ラーメン、パスタ、シリアル、ピザなどの油分に注意

③スナック菓子、清涼飲料水はNG

 :砂糖や油の入ったおやつは避ける

④副食は野菜、海藻、いも類

 :冷凍食品でも加工食品でも構わないが、この3種類を意識

⑤動物性食品は、魚介類を中心に

 :食の安全面でも、魚介類がおすすめ

⑥未精製のお米を常食に

 :未精製のお米は、栄養素が多く残っている主食

⑦食品の安全性に配慮

 :無理のない範囲で、食品添加物、農薬、ポストハーベスト農薬などに配慮

まとめ

今回は、主食を左右する脂肪から生じる小児肥満や学力低下、女性の婦人病のリスクについて、さまざまな根拠をもとにご紹介しました。本書には、非栄養学のススメとなる研究報告も多数掲載されているので、ぜひ一度読んでみてください。きちんと正しい食事バランスを意識していきましょう!

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