食に関する本のブログ

肉好きは8倍心臓マヒで死ぬ(船瀬俊介氏)要約

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今回は「肉好きは8倍心臓マヒで死ぬ」

著者 船瀬俊介(ふなせ しゅんすけ)氏の本の要約です。要約をさっと動画で見たい方はこちら、約7分半です。

文章で読みたい方は、こちら。目次でお好きなところからお読みいただけます。

「肉好きは8倍心臓マヒで死ぬ」 著者 船瀬俊介氏

肉好きの方は多いと思いますが、肉食が大腸がんや糖尿病のリスクを高めていることはご存知でしょうか。2015年には、WHO(世界保健機関)が「ハム、ソーセージなどの加工肉は、最も悪い発がん物質である」と勧告していますが、日本のメディアも学会も大半が見て見ぬふりをしていました。しかし、近年の数多くの研究において、肉食は心臓病、がん、糖尿病、肥満、脳卒中などの生活習慣病だけでなく、認知症、不妊などあらゆる現代病の原因であることが報告されています
今回は、過度な肉食によって生じる体の不調についてご紹介します。

本書の要点
1.人の体は本来、菜食に対応した性質になっている
2.肉食は、精神状態や脳の認知機能の低下を引き起こす
3.世の中の間違った栄養学

人の体は本来、菜食に対応した性質になっている

まず、歯並びを見るだけでも、肉食ではなく菜食向けであることがわかります。人の歯は「臼歯:門歯:犬歯」が「5:2:1」で生えており、臼歯の「臼」はすりつぶす役割、門歯は野菜や果物の繊維をかみ切る役割、そして、犬歯は動物肉などをかむ役割を持っています。これは、穀物と野菜と動物肉はこの割合で食べるのが最適だと暗示していると考えられるでしょう。

次に、唾液のpH値も穀物を食べるよう推奨しています。ライオンなど肉食獣の唾液は酸性なので、獲物の肉や骨を溶かして消化しやすくなっています。一方、人の唾液はアルカリ性なので、肉よりも穀物の消化に適しています。
さらに、消化器を見てみると、人の胃腸の長さは肉食獣の約4倍なので、体の中に入ってきた肉類を素早く消化し、排泄することができません。腐敗した肉が腸内にとどまり続けると、有害物質が産生されやすいので、肝臓や腎臓など臓器の健康が害されてしまいます。
このように、人の体の構造から、人は本来、菜食向きの生き物であることがわかりますね。その他にも、菜食療法は心臓病患者の冠状動脈を再生し、血流を改善したという報告があります。肉食でなく菜食に、そして少食にすることで、いとも簡単に病気が快復することもあるのです。その逆もしかりで、アメリカの研究論文において、ヴィーガン(乳製品や卵も一切口にしない、完全ベジタリアンをさします)の心臓病死は、ゆるやかな菜食者であるベジタリアンや一般的な人と比べて、死亡率が低いこともわかっています。医学的にも肉食は病気の予防になることが示されているのですから、「肉食は長生きに有効」などの謳い文句が絶対ではないと言えます。

肉食は、精神状態や脳の認知機能の低下を引き起こす

では、過度な肉食生活を続けると、どのような不調が出てくるのでしょうか。
例えば「肉好きは攻撃的になりやすい」と言われるのは、それは体が酸性に傾くことが原因だと考えられています。血液が酸性に傾くことは人の生体が正常に機能していない証です。それを感知した脳は、交感神経を緊張させて、闘争系のホルモン物質である「アドレナリン」の分泌を促します。その結果、イライラやムカムカという感情が引き起こされるのです。
そして、交感神経の緊張状態が続くと血液がスムーズに通りにくくなり、血行不良による病気が生じます。その典型的な症状が糖尿病で、全身の毛細血管を詰まらせることで高血糖を発症します。さらに網膜症や心筋梗塞、脳梗塞、四肢の壊疽など、体のあらゆる部位において血行不良となり、低栄養や低体温といったストレス状態が、発がんリスクを高めてしまいます

一方、肉食は精神状態にも大きく影響します。先ほども述べたように、肉食によって交感神経が優位になるため、不安、抑うつ、食欲不振、呼吸困難などの精神症状を引き起こしやすくなり、のちにうつ症状へと発展する可能性もあります。
こうした肉食によるストレスを減らすためには、和食へシフトすることが重要です。和食中心の食生活になると、大豆製品などに含まれる植物タンパク質を摂ることができ、体が酸性に傾くことがありません。また、副交感神経が優位になるため、緊張から解放されて、呼吸、血圧、脈拍などが落ち着き、常にリラックスした状態を保つことができます。また、即物性タンパク質にはコレステロール値を下げるはたらきもあるので、糖尿病、肥満、がん、認知症などさまざまな病気を予防してくれます
植物性食材の効果はアルツハイマー病の研究成果においても証明されており、週に数回、野菜・果物ジュースを飲むだけで、アルツハイマー病のリスクが最低20%前後、最大80%くらいまで減ったという報告もあります。

世の中の間違った栄養学

最後に、糖質制限ダイエットについて訂正しておきたいと思います。よく糖質制限系の本には「お肉は好きなだけ食べても大丈夫」などと書かれていますが、実際、糖質制限によって寿命が縮むというのは、杏林予防医学研究所の追跡研究によって明らかにされています。実際、食習慣と糖尿病死亡率の関係を見てみると、和食のように、低脂肪だとカロリー摂取量が低く、炭水化物からのカロリー摂取量が高い日本では、脂肪摂取量が多いアメリカと比較すると、糖尿病による死亡率は約1/10にとどまっています。このことから、糖尿病のリスクを高めるのは、糖質ではなく、肉や脂肪といった欧米食であることが考えられますね。

まとめ

今回は、肉食を愛してやまない方々に向けて、過度な肉食によるリスクについて解説してきました。人間の体の歴史をたどってみると、そもそも肉食に完全対応していない構造となっているため、とくに代謝が衰えてくる中高年代以降には、肉食の量を控えることをお勧めします。中年の方がよく体臭に悩むと聞きますが、これも肉食中心の生活が原因の一つです。体が酸性に傾いて、いろいろな有害物質が産生されているので、汗や体臭として不快な匂いが出ているのです。肉が大好きだけど健康にも不安がある、という方は、ぜひ本書を読んで食生活の改善を実践してみてくださいね。

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