食に関する本のブログ

血栓を防ぎ骨を強くする納豆のネバネバ効果 (須見洋行)

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今回は「血栓を防ぎ骨を強くする納豆のネバネバ効果」の要約です。
著書は医学博士の須見洋行(すみ・ひろゆき)氏です。

納豆は、健康を促進してくれるネバネバ食品の代表です。本書は優しい言葉で、納豆の何が身体を癒し、どういった効果があるかを説明し、相性のいい食材を紹介しながら、賢い食べ方まで説明してくれています。1986年、『納豆には、ナットウキナーゼとよばれる強力な血栓溶解酵素が含まれる』とNHKで報道され、納豆はブームを迎えます。コレステロールが少ないため血圧を下げる効果もあり、老化やガンを防ぐ特殊成分を含むだけでなく、骨を丈夫にしてくれ、また菌に強く腸の働きを整えてくれ、抗菌作用もあってと、本当にいいこと尽くしなのです。本書ではそんな納豆の良さを紐といてくれます。

本要約の要点は5つです。
1、 ナットウキナーゼとは何か
2、 納豆の抗酸化物質が血管の老化を防ぐ
3、 薬よりも強い納豆の特殊酵素SODとは
4、 骨量に影響するビタミンK2と納豆
5、 納豆の抗菌作用

1、ナットウキナーゼとは何か
 ナットウキナーゼとは、世界の約200種類の食品中で最も強力な血栓溶解作用を持つ酵素で、納豆にはこの強力な酵素を含んでいます。このナットウキナーゼの優れている点は、薬より半減期が長いという、その持続性にあります。病院での血栓溶解剤はいずれも一度血液の中に入れると、そこで作用する時間が4分から20分と極めて短いため、点滴をしている間だけしか作用しません。しかし納豆のナットウキナーゼは、口から撮った場合、短い人で4時間、長い人では8時間から12時間という長い時間作用します。

2、納豆の抗酸化物質が血管の老化を防ぐ

 『老化はまず血管から起こる』と、いわれていますが、この血管の老化は主に血管壁の脂質の酸化から始まるものです。この脂質の酸化、特に悪玉コレステロールであるLDLの酸化を大豆の成分が抑えてくれることが、弘前大学内科の金澤武道助教授によって証明されています。大豆以上に抗酸化能の強いのが納豆です。
 最近では、ステロイド軟こうと併用して老化の予防、あるいはアトピーの治療に使おうという研究まで進めており、納豆菌が作る抗酸化物質は水に混ぜて飲んでも効くということも分かっています。

3、薬よりも強い納豆の特殊酵素SODとは

 酸素が多すぎると人体にとって一種の毒素である『活性酸素』が生じ、それが細胞のガン化から動脈硬化、心臓病、そしてシミやそばかすなどの皮膚の老化にまで関わってくることが分かっています。一説では、人間の全病気の80%がこの活性酸素と関係するといわれています。 
 そこで酸素を利用するすべての生物には活性酸素を無毒化する特殊な酵素である、SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)が具わっています。この酵素は、動物ごとに比較すると、その強さと寿命の長さで相関することが多く、人間はこのSODが強い方で、その理論からすると120歳までは生きられます。
 活性酸素は、まずSODで処理され、生じた過酸化水素がさらに身体の中に備わっている別の酵素カタラーゼとの連携プレーで普通の安全な酸素にまで分解されます。実は納豆には、この活性酸素消去系が共に大変強力な形で備わっていることが分かっており、一般に市販されている薬としてのSOD活性剤よりも強いくらいです。

4、骨量に影響するビタミンK2と納豆
骨には人体の99%のカルシウムが蓄えられていますが、血液中にカルシウムが不足すると、カルシウム濃度を一定に保つために、骨からのカルシウムが吸収されることになります。特に女性はホルモンの関係もあり、歳をとるにつれてだんだん骨吸収の方が骨形成を上回り、このアンバランスのために徐々に骨量が減り、その密度が病的に低くなるという骨粗鬆症になりやすいのです。

都道府県別の大腿骨頸部骨折患者数の推計と県庁所在地の一世帯当たりの納豆の商品金額を比べてみると、納豆の消費金額が多い地域は、少ない地域に比べ、脚の付け根の大腿骨頸部の骨折が少ないことが分かりました。納豆摂取量と反対に、この病気は西高東低であることが明らかにされています。
東京大学医学部・老年疫学教室の研究では、骨折を起こした老人患者において、血中ビタミンK濃度が低いことがわかりました。それも植物由来のビタミンK1(フィロキノン)濃度には差が見られませんが、微生物由来のK2(メナキノンー7)濃度に差があることが明らかになりました。骨が悪いからといっていくら牛乳などを飲んでもそれだけでは意味がなく、日ごろから同時にビタミン含量、特にメナキノン‐7の多い納豆を食べておくと、とても効果的です。ここでビタミンKは骨でカルシウムを『ノリ』のように結合するためのオステオカルシンを合成するために必須の栄養素であることが、最近の研究でわかっています。
かつて秋田などの東北地方では古くから『お産の2週間くらい前から納豆を食べるように』という言い伝えがありました。納豆に含まれるビタミンKは野菜のビタミンKと違い、胎盤を通して容易に胎児に移行することが、産業医大の白幡聡教授らの研究で確認されているため、この言い伝えは、非常に理屈の合った話ということなのです。

5、納豆の抗菌作用
納豆あるいは納豆菌が持つ抗菌性は昔から研究されており、実際に病気の治療あるいは予防に使われていました。特にまだ抗生物質のなかった戦前は海軍を中心として、赤痢やコレラ、チフスなどの予防、はては結核の治療にまで利用されていました。
 こうした納豆菌の優れた性質は整腸剤として、古くから厚生省認定の薬にも使われており、伝承的にはもっと古く、江戸時代の食べ物の辞書ともいえる『本朝食鑑』にも『腹中を整え食を進め、毒を解す』とあり、下痢あるいは逆に便秘の薬として使われてきました。

まとめ
この本の要約では、納豆が身体に与えてくれる効果をお伝えしました。それ以外にも、納豆には血栓溶解作用を多く含むため、血栓性の老人性痴呆症予防にも効き目があります。血の巡りが良くなるため、頭の回転もよくなり、健脳食として世界に注目されています。また血中アルコール濃度を下げる作用もあるため、2日酔いの予防も納豆が救ってくれます。ただナットウキナーゼは酵素なので熱には弱いという欠点を考慮しながら食べると効果的です。本書では、実際に具体的な実験データが網羅されており、数値を使いながら説明してくれています。気になった方は是非一度、本書を手にとって読んでみてください。

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