腸に関する本のブログ

最新!腸内細菌を味方につける30の方法(藤田紘一郎氏)要約

腸に関する本のブログ

今回は「最新!腸内細菌を味方につける30の方法」

著者、藤田紘一郎(ふじた こういちろう)氏の本の要約です。

文章で読みたい方は、こちら。目次でお好きなところからお読みいただけます。

「腸内細菌を味方につける30の方法」 著者 藤田紘一郎氏

ここ10年間を経て、腸内細菌をとりまく環境は激変しています。近年の遺伝子研究やコンピューター科学の発展もあり、腸内細菌の大規模な遺伝子解析が行われたことが一つの転機といえるでしょう。

現在では、腸と健康に関するノウハウ本や美容法などがたくさん紹介されていますよね。実際、腸内細菌の乱れが起こす病気は、風邪や食中毒といった感染症のみならず、がん、肥満、動脈硬化、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣病、認知症、うつ、アレルギー疾患、自己免疫疾患のような複雑なものにまで及んでいます。本書は、そんな非常に奥深くて偉大な腸内細菌の世界を分かりやすくご説明します。腸内細菌を見方につけて、美容にも健康にも生かした日常を送っていきましょう。

本書の要点
1.あなただけの腸内細菌を鍛えて、免疫力を上げよう
2.腸内細菌を元気にする食材とは?
3.保存料や食品添加物などは、腸内細菌を減らし、免疫力を低下させる
4.毎日の○○チェックで体質改善を心掛けよう

あなただけの腸内細菌を鍛えて、免疫力を上げよう

腸内細菌は人類共通でないことはご存知でしょうか。事実、ここ数年の遺伝子解析によって、腸内細菌叢から個人を識別できることも分かっています。驚くべきことに、一卵性双生児であっても、両者の腸内細菌叢の組成はあまり高くないことも報告されています。他にも、遺伝子の数の多さについては、人間の遺伝子が2~2万5000個であるのに対し、腸内細菌の遺伝子数は330万個にものぼります。この数を見ただけでも、私たちの体に腸内細菌が与える影響の大きさが予想できますよね。

では、どうやって腸内細菌を活性化させたらいいかと申しますと、菌活と腸活が基本となります。私たちの体は日々、いろいろな細菌と出会い、体の中では炎症反応が起きては鎮まっています。つまり、コロナウィルスのように死に至るリスクのある感染症は別ですが、皮膚の常在菌のように悪影響を及ぼさない程度の菌とは、正しく向き合うことが重要です。人間の体は、外から侵入した異物に対して攻撃できるよう、免疫システムが備わっています。ただ、あまりにも清潔にしすぎる(たとえば、何回も石けんで手を洗う、ウォシュレットを毎回使う、常に除菌シートで周りをふく)と、体が菌に耐性をつけることができず、結果として菌に対する免疫力が下がってしまうことがあります。そのため、洗いすぎをやめて、菌といい具合に共存しながら、腸内細菌を育てていくことが重要になります

腸内細菌を元気にする食材とは?

ここで、腸内細菌を活性化しやすい食材をご紹介します。まず、納豆は日和見感染などに効果的な食材です。納豆の菌は、土壌にいる菌と同じ作用をもっていますが、私たちがよく触れる日和見菌の多くも土壌菌です。納豆は、日和見菌を増やして、腸内フローラの活動力を高めてくれます。

次に、食物繊維もポイントとなります。食物繊維は、大腸の粘膜を刺激して、蠕動運動を促してくれます。そうすることで、腸の内容物が前へ前へと押し出されて、体の水循環や便の排泄が正常状態に保たれています。腸の働きが活発になるためには、腸内細菌が元気であることが重要ですので、こうした食材を積極的にとって、腸内細菌が働きやすい環境を整えてあげましょう。
補足ですが、サプリメントで栄養素を補うだけでは意味がありません。というのも、私たちの腸はビタミン類を合成する機能を持ち合わせていません。食べた物からビタミンをつくってくれるのですが、その役割も腸内細菌が担っています。腸内細菌が乱れてビタミン不足が起きていると、「肌の調子がよくない」「髪の毛が抜けやすい」「疲れやすい」「太りやすい」「イライラする」などの不調が生じやすいといわれます。ビタミン不足は健康と美容の敵とも呼ばれるくらいですので、サプリメントをとらなくても、逆に食物繊維たっぷりの野菜や果物をとったり、納豆のような酵素を含む食材を意識して食べるようにすることをおすすめします

保存料や食品添加物などは、腸内細菌を減らし、免疫力を低下させる

ここまでは、腸内細菌を元気にするための知恵をご紹介してきましたが、その反対もお話しておきます。腸内細菌に悪影響を及ぼすのは、食品添加物などの人工的な化学物質です。日本で市販される食べ物には、保存料、甘味料、着色料、増粘剤、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、香料、pH調整剤といった多くの食品添加物が用いられています。保存料など古来から使われてきたものもありますが、筆者がとくに危険と教えているのが「保存料(防腐剤)」です。

こうした化学物質以外には、抗生物質をむやみにとらないことも大切です。通常の免疫システムを薬がコントロールするので、腸内細菌叢に混乱が生じやすくなります。また、抗生物質では二次感染を防ぐことは難しいとされていることから、そもそもの腸内環境が健康でない限り、体の不調は起こりやすくなってしまいます。

毎日の○○チェックで体質改善を心掛けよう

「腸年齢」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これは、腸内細菌叢の状態をあらわす指標で、腸年齢が若い人ほど腸内細菌叢の状態が良好であるといえます。ここで知っておきたいのが、日本人に関しては、腸年齢が老けている人が多いということです。腸年齢が実年齢よりも老いていると、当たり前ですが病気や老化を招きやすくなってしまいます。
そうなる前に、ご自身で腸年齢をチェックしてみてください。方法は、大便とオナラの匂いを嗅ぐことです。乳酸菌やビフィズス菌は食べたものを発酵させますが、悪玉菌のようにタンパク質や脂質を腐らせることはしません。つまり、善玉菌が活発な腸がつくる大便であれば、臭さが少ないのです。遺伝子検査よりも、まずは大便チェックが有効ですよ。

まとめ

腸内細菌がオリジナルの組成だなんて、人間の体ってすごいですよね。今回は、腸内細菌を元気にして、免疫力を高めるためのポイントを厳選してご紹介してきました。コロナウィルスによる感染症対策で除菌ブームが通常運転となっている今だからこそ、腸内細菌との関わり方を見直していただければと思います。腸内細菌にとっていい食べ物をとることも大切ですが、それ以上に、どういう成分を控えた方がいいのかを考えてみるのもおすすめです。本書には、まだまだ腸内細菌の魅力がたっぷりと載っていますので、楽しく読み進めてくださいね。

Follow me!

Twitterでフォローしよう
PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました