食に関する本のブログ

最も恐ろしい 残留農薬(九郷晴彦)

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今回は「残留農薬」の要約です。
著者は健康科学研究所所長・薬学博士の九郷 晴彦(くごう はるひこ)氏です。

厚生労働省の農薬に対する概念は、農作物を、病害から防ぎ、かつ増産を計るために、農地にバラ撒かれる薬品化学品類のすべてを農薬と規定しています。

私たちがよく知っている生命力の強い雑草までもが枯死するのです。
農薬の種類と使用量はこの数十年間増え続けており、単位面積当りで比較すると日本はヨーロッパ諸国の約6倍、アメリカの約7倍にも及ぶ投入量になっています。収穫寸前まで農薬を使っていると、その残留農薬量も高くなり、消費する人間の方に危険が増してくるわけなのです。今回は残留農薬の基準や毒性になどについて、説明しています。

本要約の要点は全部で4つです。

  1. 新残留農薬基準と取締法  
  2. 残留農薬と被害
  3. 残留農薬量と食物の汚染
  4. 天然農薬の特異性と再認識

新残留農薬基準と取締法

2006年5月29日より、残留農薬基準である、ポジティブリストがスタートしました。
残留農薬については、食品衛生法によって基準が設定され、基準を超える農薬が残留している農産物は、販売禁止となります。
世界で食用農産物に使用される農薬、飼料添加物などは800種類ほどありますが、その内わが国で残留農薬基準が設定されている農薬などは、約250種類でした。
こういった実態から食品衛生法が改正され、そうして残留農薬基準が改められたのです。
これまでの制度では、残留してはいけない農薬を示す、ネガティブリスト制度を採用してきましたが、これでは基準が設定されていない農薬が残留しても規制できないという問題がありました。

ポジティブリスト制度では農薬などは原則的に禁止し、使用を認めるものをリスト化し、さらに基準値が設定されていない農薬などについては、人の健康を損なう恐れのない量を一律基準として、0.01ppmが適用されることになったのです。
この基準を超えた場合には流通が禁止されます。1ppmというのは、1kgの農産物中に1mgに相当する量であり、0.01ppmは、1kgの中の0.01mgということです。
ポジティブリスト制度によって安全対策が、やや前進したということになります。
また、日本政府は、昭和23年7月1日 「農薬取締り法」という法律を制定しました
この法律は、昭和46年1月14日改正を5回した後に、改定し、その目的は「農業の品質の適正化と、その安全性、かつ適正な使用確保を図り、もって農業生産の安定と国民の健康保護に資すと共に、国民の生活環境の保全に寄与すること」でありました。

そして、「農薬」というものは、樹木、農林水産物を含むあらゆる農作物を害するような菌類、線虫、ダニ、昆虫、ネズミ、その他の動植物、微生物やウィルスまでも駆除もしくは防除できるものの名称として統一されたのです。そしてこの目的に用いられる①殺菌剤②殺虫剤③その他の薬剤④農作物などの生理機能の増進を司る「生長促進剤」や「発芽抑制剤」までを「農薬」と定義したのでした。

残留農薬と被害

農業は土の微生物や昆虫類の共存で成り立ってきました。ところが細菌や昆虫類を殺し、さらに雑草までも枯らす目的を持つ薬品ができると、その農薬の持つ強い毒性が自然の環境を破壊することがわかってきました。
今、アメリカでは医療事故の多発や自然破壊の農薬、それに輸入食品の残留農薬批判が高まり、代替医療や自然治癒力を高める医療が国民の半数以上の人に理解され、1990年以降ガンを減らし続けています。
日本は逆に増加し続けていて、医療費の増大が大きな社会問題となり、残留農薬問題が健康に大きく影響していると取り上げられ始めたのです。
アメリカのアールミンデル博士は「アレルギーの増加も、その一例としてあげられる」と、化学物質、残留農薬への警告を発し、日本でもそのことについて調査してきた同志社大学教授の西岡一医学博士は、農家の4人に1人が農薬による急性中毒、皮膚障害、肝臓障害、頭痛などを患っていて、その被害は年々増大しつつあると報告しています

残留農薬量と食物の汚染

最近、アメリカや日本で輸入食品の残留農薬違反が大きく報道され始めました。
そこで、アメリカの食品医薬品局は、外国の輸入食品を輸入差し止めとする処置を行いました。
これまで厚生労働省は、残留農薬に関し、トマト、キャベツ、白菜、ジャガイモ、玉ねぎ、イチゴ、梨、リンゴなどに用いられる農薬に、例えばトマト、キュウリへの残留農薬量は、5ppm以下というように定めてきました。それは、家庭で洗っても落ちない部分の農薬の分量はこれ以下ならよいと、一方的に理由を明確にしないまま残留農薬量を決めてきたのです。

その残留農薬分は、食べて胃の中に入り、体内に吸収されても健康に心配はないと決めてしまったまま今日の改定までいたりました。
しかし、残留性は植物の体内にいったん吸収されてから体外に排泄されるまで溜まるものと、吸収されずに植物の体外の表面に付着しているものと二種あります。
前者は使用期間の設定などを規制するもので、後者は付着性を持たせるか否かの製造上の問題です。前者はよく洗っても落ちません。
このように農薬は、使用する人達も、食べる人達もよく知らない状態で使用されることを、考えると国民の健康という点では非常に不適切な扱いをされています。

天然農薬の特異性と再認識

天然自然界の中にも毒物というものが、それぞれの生物間に特異的に働いている場合が少なくありません。
例えば、毒キノコはその毒性が特定的で、ナメクジには平気で、チマキに用いる笹の葉は微生物を殺し、柿の葉ずし、桜もち、柏もちなども微生物特異性です。
人間はこれらを有効的に活用してきた歴史があり、代表的なものが、蚊取り線香です。
和歌山県特産の、除虫菊という菊科の植物は、ピレトリンという成分を持ち、これは全ての害虫に薬効があり、温血動物には全く無害で、速攻的で残存性はありません。天然農薬を知ることも大事なことです。

まとめ

この本では、残留農薬の恐ろしさや農薬の基準、法律などを紹介してきました。
これまで私たちは残留農薬の恐ろしさについてあまり深く考えてきませんでした。

しかし、今使用している農薬が今は何ともなくとも、それが蓄積されて、何十年後にどのような影響があらわれてくるのか、だれにもわかりません。残留農薬の怖さはそこにあるのです。その他に、未だに廃棄されない禁止農薬や毒物と劇薬についても書かれています。
今や、生活の中で残留農薬は身近な問題となっていますので、興味があればぜひ一度手にとって読んでみてください。

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