腸に関する本のブログ

亜麻仁油に多く含まれる α‐リノレン酸(今田勝美)

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今回は「α‐リノレン酸」の要約です。
著者は元・東京農業大学客員教授・薬学博士の今田 勝美(いまだ かつみ)氏です。

厚生労働省の2005年度版の「日本人の食事摂取基準」で、α‐リノレン酸の摂取目標量を初めて設定したことで、α‐リノレン酸が注目されるようになりました。
α‐リノレン酸は多価(高度)不飽和脂肪酸の1つで人体内では合成や蓄積をすることが出来ないため、必ず、食事から摂取しなければならない必須脂肪酸です。
また、α‐リノレン酸はEPA・DHAの前躯体として働くために、血中の悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす、ガンの発生や増殖を抑制するなどの働きをします。今回はα‐リノレン酸とはどういうものなのか、不足するとどうなるのかなどについて説明しています。

本要約の要点は全部で5つです。

  1. 現代病の原因
  2. N-3系脂肪酸とは?
  3. 肥満者はα‐リノレン酸が不足している
  4. 認知症患者はα‐リノレン酸が不足している
  5. 亜麻仁油はα‐リノレン酸が豊富

現代病の原因

病気を引き起こす要因はたくさんありますが、遺伝的な要因、食物繊維の摂取不足、運動不足、ストレスの増大、ビタミンやミネラルの欠乏、抗酸化物質の摂取不足、過剰な食品添加物の摂取、農薬や環境の汚染などがあげられます。

それに加えて、必須脂肪酸の摂取不足が考えられています
その中でも、α‐リノレン酸(n‐3系脂肪酸)の不足が大きく取り上げられます
いわゆる、食生活の中にもともと、α‐リノレン酸が不足していたために、病気を引き起こしていることが明らかになり、α‐リノレン酸の不足こそが、現代病の原因であり、万病の元であると考えられるようになっているのです。

また、アメリカをはじめとする先進国の病気、つまり、ガン、心臓病、脳卒中などの慢性病は肉食中心、必須脂肪酸の極端な不足など、誤った食生活が引き起こした食原病で、これは薬では治らず、いますぐに、食事の内容を改善する必要があるのです。
ドナルド・ラディン博士は、先進国で起こっている現代病の大きな原因は、「α‐リノレン酸の摂取が極度に不足しているからである」と結論づけています。
また、日本の国立健康・栄養研究所や東京家政大学では「肥満者は血液中のα‐リノレン酸が不足している」とか、東北大学では「認知症老人では、α‐リノレン酸が健康な老人に比べて不足している」といった報告もされているのです。

では、α‐リノレン酸の不足がなぜこれらの病気の原因になるのかというと、α‐リノレン酸は単なるカロリー源ではなく、細胞膜の構成要素になったり、体のほとんどの機能を支配していて、第三のホルモンとよばれるプロスタグランディンという重要なホルモン様物質の宝庫になっている脂肪酸だからなのです。

N-3系脂肪酸とは?

オメガ3(n-3系脂肪酸)とオメガ6(n-6系脂肪酸)は必須脂肪酸といわれています。
この2種類の脂肪酸は、体のほとんど全ての機能に関係しています。この脂肪酸は、体に必要不可欠なものであるにもかかわらず、体の中ではつくることができず、食物から必ず摂らなければならないのです。
オメガ‐3は、主に魚類(EPA・DHA)、亜麻仁油などに、オメガ‐6は、大豆やゴマ、トウモロコシなどの食材に多く含まれています。

オメガ‐3もオメガ‐6も必須脂肪酸として不可欠なのですが、あえて、比較すると、オメガ‐3の方がむしろ重要といえます。例えば脳の構成要素の60%は脂肪で、さまざまな脂肪酸から構成されていますが、最も多いのは、オメガ‐3とオメガ‐6の系列の脂肪酸です。
さらにいえば、オメガ‐3の方が、オメガ‐6よりも多く含まれているのです。
また血液をサラサラにして、脳卒中や心臓病の原因となる、血栓を防ぐ働きなども、オメガ‐3はよく働いてくれる脂肪酸です。重要なことは、オメガ‐6は過剰であっても不足する状況でなくなっているのに対して、オメガ‐3は極端に不足している状況です。
 

肥満者はα‐リノレン酸が不足している

WHO(世界保健機関)によると、全世界の死亡の原因は、心筋梗塞など「心血管疾患」がすでに「ガン」を上回り、とくに肥満者が急増している中国など、アジア諸国でも肥満が問題になっています。特に問題になっている「内臓脂肪型肥満(メタボリックシンドローム)」は、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病になりやすく、動脈硬化、心臓病、脂肪肝などのリスクが高くなります。
肥満を克服するには、その肥満の原因になった食事から標準的な、オメガ‐3系(α‐リノレン酸)のメニューに切り換えることが必要です。
オメガ‐3系の必須脂肪酸も、食物繊維やセレニウムなどの他、必要な栄養素もきちんと保つことができて、反栄養素の飽和脂肪酸も減らせるからです。

認知症患者はα‐リノレン酸が不足している。
これからは、脳の老化による機能障害が老人性認知症(ボケ)として始まり、増えると予想されています。老年期認知症といえば、血管性認知症とアルツハイマー型老年認知症です。

東北大学の研究では「認知症老人では、α‐リノレン酸が健康な老人に比べて不足している」と報告しています。
脳は脳脊髄液の中に漬かっています。例えば、統合失調症や脳の疾患者の脳の脳脊髄液には健康な人に比べて、オメガ‐6系の必須脂肪酸からつくられるある種のプロスタグランディンが、3倍以上も含まれています。
この過剰な状態が脳の組織を含め、体中の組織に不自然な刺激や炎症を起こす元になるのですが、オメガ‐3系の必須脂肪酸を補うことでバランスを取り戻すことができます。
α‐リノレン酸から作られるプロスタングランディンの主な作用としては、善玉コレステロールを上げ、悪玉コレステロールを下げる、痛みの発症を緩和、血小板の凝集抑制(血液をサラサラにする)等、様々な作用があります。つまり、プロスタグランディンは体の全機能に影響しているといえます。

亜麻仁油はα‐リノレン酸が豊富

亜麻は、夏に紫青色または白色の花を咲かせる、中央アジア原産の一年草で、亜麻からとれた油が亜麻仁油です。
亜麻は100g当たり22.8gのα‐リノレン酸を含有しており、成人では大さじ約1杯の粉末で1日の基準量が可能です。亜麻仁油の全脂肪酸量のうち、57%がα‐リノレン酸で、 栄養学的に余り好ましくないとされている、飽和脂肪酸の含有量は他の主な油脂に比べて少ないのです。他の食用油と比べても必須脂肪酸の含有量は断トツなのです。
また、亜麻は、リグナンも多く含有していますが、これは抗酸化作用があり、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをするといわれています

まとめ

あまり聞き馴染みのないα‐リノレン酸という必須脂肪酸についてお分かりいただけたでしょうか?この本では、病気を引き起こす原因や必須脂肪酸の摂取不足によって引き起る症状について説明しています。脂肪は食生活の中で悪者のように考えられている面がありますが、必須脂肪酸は重要な役割を担っているため、必須脂肪酸が不足し、摂取のバランスが崩れると体の機能は大きく狂ってしまうのです。
これをきっかけに食事を見直すことが非常に大切だということがおわかりいただけたと思います。興味があればぜひ一度手にとって読んでみてください。

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