腸に関する本のブログ

世界的ブームの豆乳~大豆の栄養がいっぱいの食品~(木崎国嘉氏)要約

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今回は「世界的ブームの豆乳」の要約です。
著者は医学博士の木崎 国嘉(きざき くによし)氏です。

栄養価が高いことで知られている豆乳ですが、JAS規格でも無調整豆乳、調整豆乳、豆乳飲料と3種類に分かれて定義されています。

豆乳は、昔から珍重されていたのですが、今では、砂糖などを加えて飲みやすくしたものや、果汁やコーヒー(フレーバー)などで味付けしたものなどさまざまでています。

まず、豆乳は、大豆を最も消化吸収しやすい状態にした大豆の乳です。
大豆は、「畑の肉」、そのたんぱく質がほとんど牛肉並みの良質のものであるというので、「骨のない肉」ともいわれています。
その大豆の栄養素を、上手に利用するのには、豆乳や豆腐、煮豆、湯葉、納豆、高野豆腐、がんもどき、味噌等があり、最も良い方法が、豆乳なのです。
本書では、その豆乳の歴史や豊富な栄養素、その効果などについて、詳しく説明しています。

本書のポイントは3つです。
1. 豆乳は昔から珍重されていた
2. 大豆の栄養成分
3. 豆乳による健康効果

豆乳は昔から珍重されていた

江戸時代の書物を見て見ると、豆乳のことを呉(ご)と呼び、「大豆を水に漬けて磨砕して煮たもの」と説明してあり、胃潰瘍などの特効薬として珍重されていたようです。
また、戦前は結核などの消耗性疾患の滋養飲料でした。 
豆乳は、大豆加工食品の中では、最も消化吸収のよい食品です。
例えば、大豆は消化が悪く、時間をかけて調理をしても、煮豆で65%しか吸収されません。
納豆で80%、とうふなら93%、豆乳は95%と最も高い吸収率を誇っています。
それだけにたんぱく質やビタミン、大豆サポニンなど大豆の持つ多くの栄養価を効率よくとることができるのです。

豆乳は、豆腐や納豆・煮豆と違って、毎日続けて摂る際、味付としてしょうゆ(塩分)や甘味としての砂糖を必要としないことも重要な意味があり、豆乳の飲用により数々の効果が発見されました。

大豆の栄養成分

大豆には、たんぱく質をはじめとし、脂質、ビタミン、ミネラル、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛など、豊富な栄養素が含まれています。
その中でも、特に、大豆にはたんぱく質が豊富に含まれています。
たんぱく質は、動物性と植物性たんぱく質とに分けられますが、植物性たんぱく質の中で最も注目されているのが大豆です。
たんぱく質を含んだ食べ物は、小腸内で酵素によってアミノ酸に分解され、小腸壁を通って血液中に吸収されます。
大豆たんぱく質はグリシニンと呼ばれるたんぱく質が76%を占め、そのアミノ酸組成は牛乳たんぱく質のカゼインによく似ており、リジン 、トリプトファン、スレオニンが動物性たんぱく質並みに含まれ、「畑の肉」と呼ばれるのにふさわしく、アミノ酸スコア73をしめしています。
さらに大豆たんぱく質の中には発ガン防止因子があることもわかっています。

人の体の多くはたんぱく質からでき、たんぱく質抜きの生活なんて考えられません。
もし大豆がなかったら、仏教の戒律によって殺生が禁じられ、肉食、妻帯も出来なかった昔の禅僧は、栄養失調で全滅したはずです。それなのに、禅僧の長寿と頭脳の確かさはすごいものがあったのです。
その秘密は、精進料理に大豆がふんだんに利用され、とうふ、ゆば、納豆、凍りどうふ(高野豆腐)などを常食していたからです。
大豆に、質の良いたんぱく質、大豆サポニン、レシチン、植物性脂肪のリノール酸(ビタミンF)、繊維素などが含まれ、ビタミン類、ミネラル、とくに、カルシウムなどが充分に含まれているのです。

また、大豆にはサポニンとよばれる食物成分が含まれています。
サポニンとは、サポ=石鹸からきた言葉で水や油に溶けやすい性質(親水性、親油性)をもつ、泡を発する植物成分のことです。大豆の中には5種類のサポニンがあり、老化色素の生成を防いだり、脂質の合成や吸収、分解を抑制することで、老化防止や若返り作用があると考えられています。  
大豆サポニンが脂質に対し、このような作用をするのには、その化学構造が親水性、親油性の形になっているために、体内の脂肪と結びつき、血液(水)の中に溶けこんで流し去ってくれるわけで、分かり易くいえば入浴してあぶら分を石鹸の泡とともに洗いさってくれるようなものです。

大豆(豆乳)による健康効果

大豆は血管の弾力性をもたせることもわかっており、たとえ血圧の急上昇があっても血管の弱っているところが破れることが防ぐことができます。また血栓などで詰まりそうになったのも防ぐことが出来ます。

豆乳は、自分の腸内にある自己個有の乳酸菌を増殖させます

乳酸菌は私たちの健康と密接な関係があります。乳酸菌は腸内で、毒性のガスを発生させる悪玉の腸内細菌をおさえ、腸内を健康に保つという大切な役割を果たしている菌です。
乳酸菌飲料を飲むのも良いですが、腸内の細菌は人それぞれ持っている種類に違いがあり、ある人には、有益でも他の人にとっては、下痢や発熱、嘔吐などの症状を起こすことがあります。このことを考えると、外から摂り入れることもさながら、自分の腸内にすでにある自己個有の乳酸菌を増やすのが望ましいことだといえるのです。

他にも豆乳のさまざまな健康効果は、肥満を防ぐ作用や老化防止、動脈硬化を防いだり、血圧をさげる作用、コレステロールを調整、血管を強化し血液を増やす、貧血を防止、脳卒中や心臓病を防いだり、ガンを防ぐ作用、また、美肌やシミソバカスができるのを防いだり、骨や歯の強化、肩こりやイライラなどの更年期障害、強精作用、免疫力の強化など、それこそ万能といってもいいほどです。

まとめ

この本の要約では、豆乳について詳しく説明してきました。

豆乳は、昔から珍重されてきたもので、豆乳に含まれる大豆には、豊富なたんぱく質や栄養素が含まれています。その健康効果も肥満防止、老化防止など多岐にわたります。
今や、スーパーやコンビニ、どこでも簡単に手に入り気軽に飲める豆乳、また、飲みやすく調整されたものもありますので、あまり、豆乳を飲んだことはないという方も、この機会に豆乳を摂ることをおすすめいたします。
本書には、要約ではふれておりませんが、豆乳の作り方なども記載されております。
興味があればぜひ手にとってみてください。

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