料理研究家-関口絢子の体にいいレシピ

日本を代表する健康食 お味噌の健康効果 後編

料理研究家-関口絢子の体にいいレシピ

前回に続きお味噌がテーマでお送りします。
今回は、お味噌の選び方です。
スーパーとか見ていると、お味噌がずらーっと並んでいて、どれをどういう基準で選んだらいいのか悩みますよね。
そのポイントについて、お味噌はお味噌汁だけでなくて、いろんな活用をしていただけたらいいなぁという思いで、お味噌を使った調味料を3種類ご紹介します。

今回は、お味噌の専門店を訪れました。
60種類もあるお味噌の中から、ちょっと気になる面白いお味噌をピックアップして買ってきましたので、ぜひそんなお味噌もご覧いただけたらなと思います。

東京 亀戸の佐野みそ店さんに来ています。
常時60種類のお味噌があるそうです。いろんな種類のお味噌があって、本当に迷いました。でちょっとずつ味見をさせて頂いたりしながら、4種類選んできました。
後でご紹介します。

お味噌の選び方

お味噌は大豆とお塩、麹から作られているんですけれども、どんな原料を使うかによって大きく3つに分かれてきます。
まず、米麹を使って、お米の割合が多い米味噌と言われるお味噌です。
これが一番種類が多くて、お米が多いお味噌というのは、比較的甘味の強い優しい味わいの味噌が多いです。

そして麦味噌、麦味噌というのは麦麹を使って、そして仕込んだお味噌になります。
麦特有の香ばしい風味があって、割とあっさりした味わいになると言われています。

そしてこちら、豆味噌と言って大豆とお塩だけで仕込んだお味噌なんですね。
赤味噌、いわゆる赤だしを作るときに使うお味噌で味もしっかりしていて、かなり辛口のお味噌になります。

私は、ちょうどここの味噌蔵さん(愛知県岡崎市の八丁味噌の蔵)を訪れたことがあって、実際に昔ながらの製法で作っているところを見せていただいたことがあります。
お味噌はですね、いろんなあのお味噌がありますけれども、単品で使うというのもあれば、ブレンドをして使ってあげるということでまた色々な味わいが楽しめるんです。
例えば八丁味噌のような色の濃いお味噌に、少し甘味のあるお味噌を混ぜてあげることで、少しマイルドな感じに仕上がったりとか、そんな微調整ができるのも、お味噌の楽しいところです。

色で選ぶ

次に色で選ぶ。大豆が多ければ多いほど、色が濃くなって、お米が多くなればなるほど、甘味が出て白っぽくなってきます
そして、あとは熟成の年月によっても色が変わってくるんです。
熟成が進むと、色は濃くなって、風味が強く複雑味が出てきます。
こちらなんか、まさにそういう感じのお味噌です。白っぽくて熟成が浅いお味噌はあっさりとした味になります。
まるで、ワインやチーズなんかと、ちょっと似ていますよね。
そんな感覚でお味噌も見ていただくととても面白いですね。
お味噌を健康のためにという目的であれば、半年以上の長期熟成によって作られた天然の発酵によって作られたお味噌がおすすめです。
大豆が持っている物質とは別にお味噌になって発酵することで、作られるこの茶色い物質はメラノイジンと言って非常に健康効果に役立つ成分なんです。

前編でもこのメラノイジンの働きについて、詳しくお話ししていますのでぜひもう一度気になる方は前編の方もご覧になってみてください。
温度管理をしてしまって、早く熟成させてしまっているお味噌というのもあります。
ただ、そういうお味噌はこういうお味噌の発酵によって生まれる成分というものが、やはりそれだけ劣ってしまいますので、しっかりと時間をかけて熟成させたお味噌、天然醸造のお味噌を選んでいただくと、お味噌が本来もっている自然の素晴らしい恵みをいただくことができます。

パッケージで選ぶ

そして、パッケージで選ぶ。いろんなお味噌がありますよね。
あの表示のところ見ていただくと、どういう原料で作られているのかというのが書い
てある順番によって分かります。
例えばこのお味噌、このお味噌は有機米味噌と書いてありますので、米麹を使って発酵させたお味噌ということになるんです。
原材料名が有機大豆、大豆が一番最初にきているので、大豆の分量が一番多いですよという意味です。そして有機米、麹を作るときに使ったお米です。
そして食塩ということなので、このお味噌は大豆の分量が一番多くて、次にお米の分量というようなお味噌のタイプになります。

例えば、こちらの味噌ですけれども、酒精って書いてありますね。
酒精を入れることによって、発酵の働きを抑えてあげるというのが目的なんですね。
お味噌の出来上がった状態を、ずっと割と一定に長く保つためのものだと考えてください。逆にどんどんほっておくと熟成されて、さらにさらに発酵が進んでいくようなタイプのお味噌というのが、お好みであれば、味の変化なんかを楽しんでいただくこともできますので、酒精が入っていないものを選ぶと良いと思います。
原材料にお米が最初に出てくるものもあるんです。
そういうものは、お米の含有量が多いということなので、味が、甘味があるお味噌になるんです。パッケージの裏側を観ていただいて、豆なのかそれとも米が最初なのかというのを見ていただくだけでも、味の想像がしやすくなります。
これなんかは、一番初めにお米が最初に書いてあります。
なので、これはお米が一番多く使われてますよということ、次に大豆ってなってますね。こちらには酒精というのが、ちょっとちっちゃくてわかりづらいんですけど、酒精が使われています。このような感じで原材料を見ていただいてその順番であったり、何が入っているのかというのを見ていただくと、お味噌の特徴がわかるようになります。

パッケージを見るとわかるお味噌の情報です。
このように、呼吸ができるようになっているパッケージに入っているお味噌、これもどんどん熟成していきますよ。自然に発酵していきますよというお味噌なんですね。
メラノイジンという黒くなっていく成分ですね。時間とともに増えていく成分です。
何が良いか悪いかではなく、どういうタイプのお味噌はいいのか、というところで選ぶといいと思います。甘めがいいのか辛めがいいのか、原材料はどんなものがいいのか。お米が多いお味噌は甘め、麦の多いお味噌は、あっさりめ、大豆だけで作った豆味噌は味がしっかり濃いめで、わりと辛口、そんなような特徴を覚えておくといいと思います。
お味噌の食塩の量って10から12%ぐらいで作られるんですけれども、カリウムが多くて、塩分を出す力がありますので、お味噌になった状態で摂る塩分というのは、さほど心配がないそうです。
お味噌の塩分を気にするよりは、どういう育ちでこのお味噌が出来上がったのかという製造過程を注力して選んでいただいた方が得策かもしれません。
どれがいいかは目的に合わせて選んでみてください。

お味噌の専門店で面白いお味噌を4種類買ってきました。
簡単にご紹介します。
①こちらは「江戸甘みそ白」これは、あっさりとした甘みの30%減塩のお味噌だそうです。
「古式醸造方式」、酪酸菌で発酵させチーズのような味がするのが特徴。
洋風料理の隠し味にもどうぞ。とても珍しいお味噌ですね。
③そして、こちらは「十穀みそ」といって、10種類すべての国産の雑穀を使って、そして
仕込んだお味噌だそうです。
「桜島」という味噌で、四国の裸大麦を通常の約4倍と贅沢に使った麦味噌です。

お味噌の調味料3種

お味噌を効果的に活用するお味噌を使った調味料レシピ3つをご紹介します。
まず1つは、お野菜なんかに気軽にかけていただくドレッシングになります。

お味噌とすり胡麻のドレッシング

お味噌とすり胡麻のドレッシングを作っていきます。まずお味噌ですね。
これお好みのもので結構です。(お味噌大さじ2,ごま大さじ1,酢大さじ1,米油大さじ1,蜂蜜小さじ1,こしょう適宜)
そしてごまです。すってあるごまを用意していただいても結構です。
あとは、甘味の蜂蜜、そして油は米油、ごま油とかでもいいと思います。
お酢とコショウになります。まず、すりゴマをすっていきます。
ゴマというのは、この粒のまま食べても通過してしまうんです。
殻が硬くて消化ができないので、ゴマを傷をつけてあげてから食べたほうが、栄養の吸収がよくなります。
ちょっとつぶつぶがまだ残った、半分すっているような状態ですね。
そしてお味噌が入ります。
お酢です。ハチミツです。米油が入ります。コショウが入ります。
あとは混ぜれば完成です。もしお味噌によって、少し濃度が固くなったりする場合もありますけれども、少しお湯で希釈してあげてください。
こちら、サラダ春菊なんですね。たっぷりかけてみたいと思います。
お野菜が発酵食品と一緒にたっぷり食べられます。

ニンニクや生姜がはいったつけだれ味噌

続いて、ニンニクや生姜がはいったつけだれ味噌になります。
炒めたお野菜やお肉に入れて、仕上げるだけの簡単な味噌味ソースにもなります。
お味噌そして生姜とニンニクのおろしたものですね。そしてみりんとハチミツになります。(味噌100g、みりん大さじ1,蜂蜜大さじ1,おろし生姜大さじ1,おろしにんにく大さじ1/2)
材料、もう混ぜるだけです。
こちらのお味噌は非加熱なので、生きた生味噌の栄養を摂ることができます。
加熱をしても、お味噌は発酵によって作り出した栄養素は摂れますので、ナスやお肉お野菜の味噌炒めなんかに使っていただくととても便利です。
このままお野菜スティックで、召し上がっていただいてもすごく美味しいです。
清潔な容器に入れ冷蔵で1か月保存可能。

にんにく味噌醤

最後は、にんにく味噌醤(じゃん)と言ってニンニクとラー油が効いたピリっと辛い味噌だれなります。お味噌そして甜菜糖、おろしにんにくです。
(お味噌大さじ4,甜菜糖大さじ1、酒大さじ1,酢大さじ2,おろしにんにく小さじ1,ラー油小さじ1~2)
そしてラー油、お酢、ラー油、お酒になります。こちらも全部、非加熱で混ぜるだけです。
甜菜糖です。おろしニンニクです。お酢が入ります。お酒です。
ラー油の量は、お好みなんですけれども、最低小さじ1ぐらいから加えてみてください。しゃぶしゃぶとか蒸し野菜とかあと何でも万能だれなんですけど、餃子のタレにしたりとか、何でもいけちゃいますね。
清潔な容器に入れ、冷蔵で1か月保存可です。
お好みでぜひ使い分けてみてください。

今回は、お味噌の選び方、そしてお味噌をもっと身近に使えるような、便利な調味料を3種類をご紹介しました。
どれも似たような調味料を使っているんですけれども、それぞれ、まったく違った美味しさがありますので、ぜひ3種類とも作ってみてください。
前編から始まって、お味噌ほんとに素晴らしい食品なので、私もどんどん活用したいなと思っています。
お味噌の専門店で買ってきたお味噌も、それぞれチーズとかワインのような味わいがあって、どこで作られたとかどんな材料でとか、お味噌も、ソムリエさん(味噌ムリエ)がいるそうなんです。本当に奥深い楽しい世界だなと思っています。
ぜひ機会があったら、そのような専門店も覗いてみると面白いと思います。

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